山下よしお「紅グモの悲鳴」(220円)



「ある夜、多津見麻理子は、紅い大きな蜘蛛に襲われる夢を見る。
 以来、足が不自由になり、病院で検査しても、原因は不明。
 車椅子の身となった彼女は毎晩、紅グモの幻を目にして、いつか山奥に連れていかれるという予感に怯える。
 そんな時、彼女は、博という青年と知り合いになる。
 彼は、高校浪人で、近くの無量寺に下宿していた。
 多津見家の一切を仕切る六介は彼を疎んじるが、博は麻理子の助けになろうとする。
 麻理子の誕生パーティの日、彼が屋敷を訪れようとした矢先に、紅グモの幻に襲われる。
 また、帰り道、送りの車のフロントガラスが突然、蜘蛛の糸に覆われ、ガラスの向こうに、麻理子の祖父の姿を見かける。
 しかし、車を降りてみると、誰もいなかった。
 翌日、麻理子の唯一の肉親である祖父が失踪。(父親は娘が産まれて間もなく行方不明。母親は彼女が幼い頃に病死。)
 博は、祖父の姿を見かけた場所から、彼が那智山に向かったのではないかと考える。
 彼は、多津見家の車で、麻理子と共に、那智山へ行き、麻理子を車に残し、山に探索に出かける。
 山中で発見したものは、指輪をはめた白骨死体であった。
 指輪から察するに、この死体は祖父のものらしいのだが…。
 多津見家にまとわりつく、紅グモの呪いとは…?」

 「幻色日本怪奇漫画図鑑九十九殺」(ソフトマジック/2002年10月4日発行)という、ひばり書房の怪奇漫画の単行本を紹介している本があります。
 「紅グモの悲鳴」は、その本で、貸本の中で唯一、紹介されたものです。
 また、コラムでは「首だけ少女で、胴体は大きな紅グモ」の写真が掲載されており、私は長い間、こんなフリークスな少女が人を襲いまくる話だと妄想しておりました。
 ところが、いざ入手して読んでみたら、この蜘蛛少女は冒頭、夢の中にちょこっと出てくるのみで、また、作品のあまりのヘボさにも愕然!…という、実にどうでもいい思い出があります。
 一応、上右側に「蜘蛛少女」のページ画像を載せておきます。正直、これだけの作品かも…。
 あと、主人公の男女は、松下哲也先生の影響が大きいのではないでしょうか?(まだ、ちゃんと検証しておりませんが…。)

・備考
 ビニールカバー貼り付けあり。糸綴じあり。シミ、汚れ、小剥げ、多し(でも、どれも軽い)。前の遊び紙に数字の書き込み。後ろの遊び紙に紙貼り付け。。

2019年12月31日 ページ作成・執筆

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