松下哲也「修羅の城 梅王丸と雪女郎」(230円)

「大原山の奥深く、剣の修行に励む青年がいた。
 彼の名は、右京亮梅王丸。父は、二本松城主であった右京亮義継。
 梅王丸は、父の仇である伊達政宗を倒す為に、日々、つらい修行に耐える。
 そんな日々に、彼の心中に去来するのは、許婚であった夕姫の面影であった。
 しかし、夕姫は、梅王丸の父を裏切り、正宗に寝返った叛臣であり、二人が結ばれることはもうありえない。
 ある日、偶然に狩りの最中と正宗に梅王丸は遭遇。
 梅王丸は正宗に勝負を挑むが、みじんも歯が立たず、鼻であしらわれる。
 帰途、雪の降りしきる中、失意のどん底の梅王丸の前に、純白の被衣(かつぎ)をまとう女性が現れる。
 謎の女性を梅王丸は斬ろうとするが、逆に翻弄されてしまう。
 女性は梅王丸に、「正宗を敗けない剣士に」なるよう、そして、「私をも斬り殺せるほどに」強くなるよう言い残して、姿を消す。
 どうもこの女性は梅王丸の父を裏切った叛臣を次々に殺している犯人のようなのだが、この女性の正体は…?」

 実は、怪談とは言い難いのであります。
 内容的には「可」だと思いますが、所々にひっかかる部分があります。
 ネタばれとなりますが、どうも夕姫が強過ぎるのが、個人的にイマイチ…。

・備考
 ビニールカバー貼り付け。糸綴じあり。上部に水濡れの痕あり。所々、目立つシミあり。pp119・120にコマにかかる穴の破れあり。

平成27年9月7日 ページ作成・執筆

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