「幽霊G」(150円)



 収録作品

・古賀しんさく「生きてるミイラ」
「弟と二人暮らしの男。
 だが、弟とは血のつながりはなく、しかも、白痴で、いやで仕方がない。
 弟を殺そうと思いつくものの、身体だけは丈夫で、睡眠薬を飲ませても、浴槽に沈めても、びくともしない。
 そこで、男は弟を木箱に入れ、庭の地中深く埋める。
 弟は、復讐の念を抱き続けたまま、生き続け、その身体はミイラとなる。
 ある時、弟のミイラは木箱にわいた白蟻に気付く。
 自由に動き回る白蟻を、羨望の念を持って見つめていると…」

・佐藤よしろう「十五年目の復讐」
「元・陸軍少佐で、現在は貿易会社の社長の山内。
 彼は、同じ隊にいて、共同経営者の石川から、ある知らせを聞く。
 それは、彼が、戦争末期、ビルマで殺害した白井という兵士が生きているというものであった。
 以来、彼の前に、白井の亡霊が現れるようになる…」
 後の、「餓死」(貸本/東京トップ社)につながる作品でしょうか。(共通する点が幾つかあります。)
 ただし、こちらの方は、死んでるはずの人間が生きているのに、幽霊が出たりと、ストーリーにかなりのボロがあります。
 でも、ラストはどんでん返しがあったりと頑張っており、意外と面白かったです。
 ちなみに、さりげなくカニバリズム描写が挿入されております。



・多摩海人「くずれる墓石」
「津島一郎の友人だった花見、秋月の墓が何者かによって破壊される。
 心配になった津島は、星野の墓を見に行くと、墓石がダイナマイトで木っ端みじんにされる。  これを見て、津島は田島次郎の仕業であることに気付く。
 以前、津島、花見、秋月、星野は、田島次郎の兄の会社で働いていた。
 ある時、田島次郎の兄は、酒の席で、殺人を犯し、四人に弟と妹の面倒を看るように頼んで、入水する。
 だが、四人は約束を反故、田島妹弟は浮浪児となり、悲嘆した妹は兄と同じ川で入水。
 復讐に燃える弟は、自分達と同じ境遇にしようと、四人の家に次々と放火し、津島を除いて、焼死。
 更には、永眠できないよう墓石まで破壊していたのであった…」

・古谷あきら「殺られる」
「十四年間、逃げ続けている殺人犯。
 彼は、会社の金を使い込んで、自殺しようとする青年と知り合う。
 殺人犯は彼を利用して、大金を得て、自分を追っている刑事も片付ける。
 だが、その青年は、殺人犯が昔、殺した女性の弟であった…」

・山下よしお「化身」
「修験僧のミイラ発掘のために、出羽三山を、考古学者の叔父と共に訪れた通夫。
 何の成果もなく、下山する日、彼は、骨をくわえている黒猫が気になり、その後をつける。
 すると、古風なお屋敷があり、彼は婆やから中に招き入れられる。
 屋敷にはお志乃という姫君が彼を待っていて、先程の黒猫は将軍家から賜ったものだと言う。
 通夫は食事を勧められるが、その時、食べた「蝦蟇蛙のテリ焼き」が原因で、元禄十三年の人物になってしまう。(本当にこういう展開です)
 そして、二人はいつまでも姫と幸せに暮らしました…という風にはいかず、通夫は時折、現代のことを思い出しては、帰りたくて仕方がない。
 ある時、彼は黒猫の後をつけて、現代に帰ろうとするのだが…」
 稀に見る珍作です。  「蝦蟇蛙のテリ焼き」を食べてタイム・スリップというのも凄いのですが、江戸時代のお姫さまに民主主義を説く主人公のすっとぼけぶりと言ったら…。
 フヌケ〜な内容と対照的に、着物姿のお志乃の描写を頑張っているのが、泣けてきます…。(小島剛夕先生(それとも、水木しげる先生?)の影響があるのでしょうが、微塵も似てません。)

・備考
 カバー欠。糸綴じあり。シミ、裂け、欠損等、多いが、読むのに支障なし。後ろの遊び紙に貸本店のスタンプと書き込みあり。

2018年10月11日 ページ作成・執筆

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