佐伯かよの「午後5時1分前…!」(1994年1月13日第一刷発行)

 収録作品

・「午後5時1分前…!」(1973年「りぼん」10月増刊号)
「小嶋史郎と児玉光子は幼馴染同士。
 光子は普通の女子高生であったが、突如、不思議な能力に目覚める。
 彼女が願ったことは全て、その通りとなるのであった。
 彼女は、想いを寄せる小嶋史郎のために、その能力を使うが、逆に、史郎に不審を抱かせてしまう。
 また、彼女の願いが実現したことから、多数の悲劇がもたらされる。
 その恐るべき能力は彼女を容赦なく追い詰めていき、その果てには…」

・「割れたカップ」(1974年「りぼん」4月号)
「秀才ばかりが集まる青蘭学園。
 一年生の的場美也子は、美人であったが、成績はどん底で、クラスの孤立する。
 彼女は優秀な父親や兄姉と同じように、エリートコースを進むべく、この学園に裏口入学させられたのであった。
 ただ一人トップクラスの成績の片岡葉子だけは、美也子に関心を持ち、親切にする。
 ある夜、散歩に出かけた美也子は、事故か自殺か、歩道橋の上から転落する。
 走行中の車のボンネットに落ち、頭からフロントガスに突っ込んだものの、幸い、傷は軽く、脳波にも異常は見られない。
 この事故以来、美也子は記憶力や思考力は冴え始め、成績はぐんぐん上昇する。
 だが、美也子は、原因不明の頭痛に度々襲われるようになり…」

・「黒い聖夜」(1977年「りぼん」12月号)
「イギリス。フォーサイト家。
 フォーサイト家の当主、ジェームズ・フォーサイトは一代で財を築き上げた、病院の経営者。
 彼は、孫娘のセシリアを溺愛していた。
 セシリアの父親は、彼女が幼い頃、家を出て、母親も早くに亡くなり、彼女は祖父の愛情をたっぷり受けて、育つ。
 セシリアの17歳の誕生日(クリスマス・イブ)、邸では豪華なパーティが開かれようとしていたが、ジェームズ・フォーサイトが研究室で死体となって発見される。
 彼は癌だったということで、警察は毒物による自殺と断定。
 しかし、セシリアの従兄のオスカーは、研究室からテープレコーダーを発見する。
 それは、祖父が、誕生日プレゼントとして、吹き込んでいたものであった。
 セシリア、彼女の家庭教師のシドニー、オスカーの三人がテープを聞くと、最後の方に「き、きみは…!!」という声と、窓ガラスを五回ノックする音が録音されていた。
 三人は、ジェームズ・フォーサイトの死が自殺ではないと確信するが、その夜、オスカーが池で凍死する。
 しかも、テープレコーダーの音声は、オスカーにより消去されていた。
 シドニーは、オスカーの死に疑問を抱き、一人、セシリアを守る決意をする。
 だが、意外なところから、セシリアに魔の手が伸びていた。
 時計台の鐘が五時を告げる時、彼女は心臓発作で亡くなってしまうのだが…」

2020年1月17日 ページ作成・執筆
2020年9月7・8日 加筆訂正

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