関よしみ「オーロラが殺す」(1997年12月11日発行)

 収録作品

・「オーロラが殺す」
「夜の東京の上空に突如現れたオーロラ。
 オーロラの発する磁気嵐は電化製品やコンピューターを狂わせ、東京はパニックに陥る。
 パニックの最中に、様々なデマが飛び交い、パニックに拍車をかける。
 主人公の舞子はその騒動の中で、友人達を一人、また一人と失っていき…」

・「マッド・ストーカー」
「憧れの先輩、橋本大輝と結ばれた大なぎ花蓮。
 縁を取り持ってくれた友人のために、花蓮も友人が彼女の想い人と両想いになることに協力する。
 その相手は、花蓮が子供の頃に隣人同士だった不破史郎であった。
 十年前に二人は仲良しだったのだが、花蓮の父と史郎の母が駆け落ちしてしまっとことが原因で別れることとなった。
 過去のことは水に流して、花蓮と史郎はまたもとの仲良しに戻る。
 また、十年前に出奔した父親からも電話があり、花蓮の話し相手になる。
 が、花蓮の周辺で嫌がらせが頻発し、次第にエスカレート。
 最初は二人の仲を妬む女子生徒の仕業と思われたが、花蓮の家のゴミまで荒らされるようになり…」
 名作です。
 鼻の下が伸びきったデロデロな少女漫画に、情け容赦のないストーカー描写が捩じ込まれる、ストーカーを題材にした最もヘビーな作品の一つです。
「ほんとうに愛してるなら…すべてを キミの体細胞の中のミトコンドリアまでも愛せるハズだッ!!」は実に名言ぞ!!
 また、まりちゃんズ「続まりちゃん」(「まりちゃんズ ベスト」に収録)を流しながら読むと、非常に味わい深いので、皆様、是非お試しあれ。
 余談ですが、この作品、とある事情で、宝島社の「VOW」でも紹介されたこともあります。
 関よしみ先生からすると、忘れてしまいたい過去なのかもしれませんが、開き直って「ウケ」に徹するのも一興ではないでしょうか?

・「マッド・クラス」
「過去、いじめを苦にした生徒が焼身自殺した教室。その教室の天井にはその時の焦げ跡がいまだに消えずに残っているという。
 井上薫が春から入るクラスはその教室であった。
 また、薫の担任の片桐詩織は、自称霊能力があり、教室には不浄霊がいっぱいだと言う。
 彼女が言うには、クラスでいじめが起こっても、事故が起こっても、全ては不浄霊の仕業。
 トラブルを抱える生徒達に女教師は「聖水」を渡すと、皆、気分爽快になる。
 クラスメートは次々と「聖水」の虜となっていく…」
 関よしみ先生の最狂傑作の一つである「壊れた狂室」とタメを張る傑作です。
 また、数ある「裏」傑作の中でも、変態度はMAX!! 恐ろしくヤバいマンガです。
 まさか「聖水」が、別の意味でのモノだなんて、くれ〜、俺にもくれ〜!! 俺にも顔面シャ(以下自粛)

平成27年3月30日・4月1日 ページ作成・執筆

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