のなかみのる「ビー・ボーン」(1992年6月12日第一刷発行)
「陽炎高校の剣信也と真行寺愛美は、幼馴染の仲から、今ではラブラブの恋人同士。
だが、ある時から、愛美は「頭の中になにかがひびいて」眠れなかったり、怪物に襲われる夢を見たりするようになる。
真也もまた、振り向いたら、愛美が腐乱した死体だったという夢や、愛美が怪物に襲われる夢を同時に見たりとおかしなことばかり。
ある日、真也が体調不良の愛美を家に送っていた時、二人は神社で、チンピラ連中に絡まれる。
真也は、身体を張って愛美を守ろうとするが、多勢に無勢、ボコボコにされてしまう。
その時、愛美の身体に何かが入り込み、その何かがチンピラを惨殺。
真也が気が付くと、原形をとどめていない死体が散乱する中、愛美が立ちつくしていた。
気を失った彼女を家に送り、真也はこの件を警察に話そうかと迷うが、事件の特殊性から新聞沙汰にはならず、二人に疑いはかからない。
事件の翌日、愛美は普段通り、登校し、神社での事は全く覚えていなかった。
しかし、彼女は時々、別人になったかのように、凶暴性を発揮するようになる。
彼女の中に潜むものとは…?
そして、それと真也との関係は…?」
(「週刊少年宝島」初出)
知られざる実力者、のなかみのる先生。
面白い怪奇マンガを幾つも描いておりながらも、単行本化には恵まれず、正当な評価を受けていないように感じております。
「ビー・ボーン」は講談社で単行本化されましたが、残念ながら、打ち切り作品(注1)だったようで、大風呂敷を広げたまま、謎は一切明かされずに、意味不明なラストを迎えます。
せめて描き下ろしやあとがきで内容の補足をしてくれれば良かったのに…惜しい作品だと思います。
・注1
「週刊少年宝島」(1986〜1987)は、「消えたマンガ雑誌」(メディアファクトリー/2000年2月14日発行)によると、「13号で休刊」(p49)したとのこと。
まあ、永井豪先生の「ランボーセンセー」が売りだった(らしい)雑誌ですから…。
2020年2月1日 ページ作成・執筆