蕪木彩子「美女のはらわた」(1997年3月13日発行)

・「お望みどおり」
「誕生パーティーに着ていく服が欲しいもののお小遣いが足りない亜季。
 すると、亜季の目の前で、ショーウィンドウから服をかっさらって逃げる人影があった。
 帰宅すると、その服を着たもう一人の自分がいた。
 それは亜季の鏡の中の自分、分身であり、亜季の望みは何でも叶えると言う。
 勉強も、恋愛も、女優へのレッスンも、分身が全て肩がわりしてくれ、亜季は遊んでいるだけで良かったが、そのうち…」

・「お仕置きゲーム」
「茜は塾に入った時に、お仕置きゲームというものに誘われる。
 それは、くじを引き、当った人が外れた人にどんな命令でも下せるというもので、ちょっとしたストレス発散であった。
 茜は、別の塾に行っているボーイフレンドの新平に擦り寄ってくる悦子を痛い目にあわせようとするが…」

・「館の中」
「無人のはずの館に忍び込んだ邦彦と理奈。
 しかし、そこには得体の知れないキノコがあちこち生えていて、奥には、身体にキノコを生やした、ミイラのような女がいて、二人に襲い掛かってくる。
 女から逃げ、警察を呼ぶものの、館にはミイラ女でなく、美しい女性がいた。
 女性は、邦彦と理奈を食事に誘うが、当然のごとく、キノコ料理…。
 二人は食べないで帰るが、魔の手は周囲に伸びていた…」
 出ました!! 「マタンゴ」もの!!
 ストーリーもオチもある程度、想像がつくのに、やはり面白いのは何故…?
 こういう作品を読むと、み〜んな、「マタンゴ」が好きなんだな〜って、心がほっこりします。(勘違いでしょうが…。)

・「化身少女」
「みのりと靖子は仲良し二人組み。二人は好きな人ができたら、教えるよう約束をしていた。
 が、みのりは抜け駆けして、拓也という男子生徒と付き合っていた。
 靖子はそのことを知り、かつ靖子も拓也に想いを寄せていたということもあり、怒り倍増。
 家で八つ当たりをした際、祭られていた母子像を壊してしまう。
 この母子像は、昔、靖子の祖先が祟りを受けた時に、その祟りを鎮めるためにつくられたものだった。
 靖子は姦計を巡らし、この母子像をみのりが壊したように見せかけ、みのりに祟りが降りかかると脅すが…」

・「美女のはらわた」
「腹部から内臓を持ち去るという猟奇的な殺人事件が続発。
 亜矢は、その殺害の手口が、亜矢の父親が書いている「美女のはらわた」という小説と似ていると、男友達に聞かされる。
 また、小説の中では「主人公が愛人と逃げようとする妻を殺害する」となっており、亜矢は一年前に行方不明になった母親を探して、父親の書斎に潜り込む…」

平成27年1月26日 ページ作成・執筆

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