関よしみ「黒髪のメデューサ」(1991年4月13日発行)

 収録作品

・「黒髪のメデューサ」(「サスペンス&ホラー 平成2年4月1日号増刊」掲載)
「水沢明美は、多少どん臭いものの、心の優しい高校生。
 親友の葉子は、万事てきぱきしていて、明美は彼女に頼りっぱなし。
 葉子のおかげで、憧れの小峰先輩に告白し、二人は結ばれる。
 明美が幸せいっぱいの頃、葉子はストレス性の脱毛症に悩んでいた。
 春休みに明美と葉子は駅のホームで偶然出会うが、葉子は毛生え薬やら乱用したため、顔半分が爛れている有様だった。
 混雑しているホームで明美は誰かに押され、転落しそうになり、助けに入った葉子が線路に転落、下半身を轢断され死亡。
 葉子の葬式の後、明美の周辺でおかしなことが度々起こる。
 そして、赤毛かかったくせっ毛の明美の髪の中に一筋の黒髪が紛れ込んでいた。
 まるで、葉子が自慢していた髪の毛のような…」

・「Dear Friend」(「サスペンス&ホラー 平成3年1月5日号増刊」掲載)
「須藤いずみは秀才の美少女。
 彼女は母親が父親を殺害したという過去があり、いとこの家に厄介になっていた。
 いずみの無二の親友は、有坂麻紀子。
 しかし、麻紀子が、いずみのいとこの須藤茂と付き合い出したことから、歯車が狂い始める。
 いずみは有坂麻紀子の「愛」を独占したいのだった。
 嫉妬に狂ったいずみは麻紀子に様々な嫌がらせをする。
 遂には、茂を殺そうともくろむが、逆に自分が死んでしまう。
 だが、本当の恐怖はこれからだった…」

・「虐殺の木漏れ陽」(「サスペンス&ホラー 平成2年8月15日号増刊」掲載)
「ある小さな村。
 村の発展のためにゴルフ場を建設しようとするが、樹齢五千年と言われる杉の木があった。
 その木を伐ろうとした時に、作業員が発狂し、二人の作業員をチェーンソーで殺害し、自分も喉を切って死亡するという事件が起きる。
 この事件を内密に処理しようとするものの、杉の花粉を吸った村人達は次々とおかしくなる。
 しかも、殺された死体が蘇り、人を襲い始める…」

・「仮面の教室」(「なかよしデラックス 昭和61年12月号」掲載)
「渡辺美里のクラスの担任の北野先生はみんなの人気者。
 ある夜、学校に忘れ物を取りに行った美里は、学校の隅で女性の死体を埋める現場を目撃する。
 それは北野先生の仕業だった。
 翌日、美里はそのことを友人に言うと、その噂はあっという間にクラスに広がってしまう。
 だが、美里が指摘した、死体を埋めた場所には、ゴミしか出てこず、美里はクラスで信用を失ってしまう。
 その日以来、美里はクラスで孤立していく…」

 個人的には、「虐殺の木漏れ陽」がお気に入りです。
 この時代には、ゾンビを扱ったマンガって、ありそうで意外と少ないのです。
 まあ、ゾンビというのはマンガというメディアには向かないモンスターだと思うのですが、このマンガはなかなか面白いです。
 斧で頭を叩き割られた少年のゾンビがちゃんと断面図を見せているところに感動しました。

平成27年3月16・17日 ページ作成・執筆

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