渡千枝「怨霊伝説」
(1989年4月13日第1刷・1995年7月5日第8刷発行)
・「Part1 東京編」(「別冊フレンド増刊 1988年春の号」)
「結城小弓(さゆみ)は、風邪をこじらせ、肺炎となり、重体となる。
霊界に行こうとした彼女を引き留めたのは、謎の青年であった。
臨死体験の後、彼女には霊感が備わり、奇怪な出来事を次々と体験する。
中でも、彼女を悩ましたのは、戦国時代、侍達が惨殺される夢であった。
そんなある日、小弓の母親の靖子のもとに叔母(母の妹)の宏子が訪れ、家に伝わる掛け軸が盗まれたと話す。
不吉だと靖子が心配していると、彼女の実家の梅宮家から、母親(小弓にとっては祖母)の体調が悪いとの連絡が入る。
小弓は梅宮家のことは全く聞いた事がなく、母親に問うも、母親は、帰ったら全てを話すと、出発する。
次の夜、小弓の家に、甥の三上紫朗(宏子の息子)がやって来る。
彼は、小弓の家に伝わるという掛け軸を探すが、見つからない。
夜更け、眠りについていた小弓は和室にテレポーテーションをして、仏壇に女性の幽霊を見る。
駆け付けた紫朗が仏壇を探ると、中に掛け軸があった。
その掛け軸は、縛られた女性が口に槍を突き立てられているという絵で、それを見た紫朗は錯乱し、自分を傷つけ始める。
その場に、謎の青年が現れ、紫朗を九地切りで止める。
彼の名は不動王仁彦(ふどう・わにひこ)で、小弓の家に良くないものを感じ、見張っていたのであった。
紫朗は一命を取り留め、小弓は家へと戻るが、あの掛け軸は何者かに持ち去られていた。
あの掛け軸にまつわる因縁とは…?」
・「Part2 梅沢村編」(「別冊フレンド増刊 1988年初夏の号」)
「小弓は、宏子叔母、王仁彦と共に、母親の実家のある梅沢村へと向かう。
梅宮家は地元の旧家ではあったが、小弓は屋敷を一目見て、凄まじい念に圧倒される。
梅宮家の人々は、
小弓にとっての祖母。
長女の信子(故人)の夫、雅之。
彼の連れ子で、愛想のない娘、千鶴。
信子の娘で、病弱で足が不自由ではあるが、美しく、気品のある千草。
そして、使用人の依江(よりえ)・久男親子の、計6人。
小弓と王仁彦は、梅宮家に伝わる、三つの掛け軸の謎を追うのだが、殺人事件が起こり、小弓も命を何者かに狙われる。
掛け軸を狙う犯人の目的とは…?」
2019年12月4日 ページ作成・執筆