渡千枝「FUTURE ―呪われた少女―」(1998年10月13日第1刷発行)

 収録作品

・「FUTURE ―呪われた少女―」
「萩原麻由は小さい頃から、よく熱と頭痛に襲われ、そんな時は必ず、怖いを見た。
 三歳になった頃から、熱と頭痛の後に、見た夢を絵に描くようになる。
 しかし、その絵は、事故や災難等、人の不幸を描いたものばかり。
 彼女が描いた絵は現実通りとなり、母親は彼女を恐れるようになる。
 だが、麻由にとっては絵を描くことが悪夢から逃れる唯一の方法であり、母親に内緒で絵を描き続ける。
 小学三年生の時、彼女は父親の死を絵に描く。
 彼女は絵をゴミ箱に捨てるが、母親が見つけてしまい、父親の死の責任は彼女にあると責める。
 母子は祖母のいる実家に移り、麻由は母親に捨てられ、伯母の一家と横浜で暮らすようになる。
 従兄の辰彦は、彼女の予知能力を認め、いくらでも絵を描いていいと彼女を励ます。
 麻由は笑顔を取り戻すが、ある日、彼女は、病院で亡くなる寸前のミイラのような人物のイメージに襲われる…」

・「FUTURE2 ―救われた少女―」
「中学三年生になった萩原麻由。
 彼女のクラスに三学期になって転校してきた津田紘一は、彼女の幼馴染であった。
 彼の目的は、冬のプールで亡くなった、親友の斎藤武男の死の真相を突き止めること。
 斎藤武男は麻由に初めて優しく接してくれた少年で、彼女は紘一に協力することになる。
 二人は徐々に真相に近づいて行くが、麻由は、紘一が駅のホームから突き落とされるシーンを視る。
 紘一は、麻由の予知に敢然と立ち向かうのだが…」

・「きしむ歯車」(1997年「別冊フレンド5月号増刊 サスペンス&ホラー」)
「高校一年生の森田真純は、三人の仲間と同居している。
 無邪気な少女、愛美。
 大人っぽく、読書家の優子。
 そして、心を閉ざしたままのキョウコ。
 毎日、真純は、超売れっ子の女弁護士の娘、結城貴子として高校に通う。
 また、貴子の主治医である湯浅との面会も真純にとって大きな喜びであった。
 だが、貴子と同じく病気だと思われたくなくて、彼女は、湯浅にある不安について黙っておく。
 その不安とは、最近、記憶が頻繁に途切れることであった。
 ある日、彼女はいつの間にか、見知らぬアパートの部屋にいて、ソファの影には男の刺殺体があった。
 気が付くと、家でパジャマ姿で、夢かと思っていたが、翌朝、その殺人事件のニュースがテレビで流れる。
 彼女は男を殺した記憶はないのに、疑いは彼女にかかり…」

2019年12月17日 ページ作成・執筆

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