小池ノクト
「餓獣@」(2019年10月9日第1刷発行)
「餓獣A」(2020年1月8日第1刷発行)
「餓獣B」(2020年5月13日第1刷発行)
「餓獣C」(2020年9月9日第1刷発行)
「餓獣D」(2021年1月13日第1刷発行)
「餓獣E」(2021年4月14日第1刷発行)



単行本@(「コミックDAYS」2019年4月〜6月)
・「第1話 線路内侵入」
 志隈は施設で育った男子高校生。
 春休みの早朝、ファミレスのバイトに行くため、外堀線の地下鉄に乗っていると、同じクラスの成田と小林に遭遇してしまう。
 成田と小林は不良で、志隈は言われるままに金を渡す。
 その時、一人の少女が助けてくれるが、彼女は幼なじみの睦月であった。
 突如、電車が止まり、線路内に不審物があるとのアナウンスがある。
 しかも、停電が起こり、何が起こったのか聞こうにも運転士の姿がない。
 志隈はバイトがあるので、他の乗客たちと一緒に線路伝いに駅へ向かおうとする。
 すると、運転士の変死体が線路に転がっていた。
 更に、先に行ったはずの乗客が悲鳴を上げながら戻って来て…。
・「第2話 途中乗車」
 暗闇から奇怪な巨大モンスターが現れる。
 モンスターは次々と逃げ惑う乗客を襲い、喰い殺していく。
 志隈は駅に向かうよりも、電車に戻る方が得策と考え、どうにか車両内へと戻る。
 モンスターは巨体がつかえて、車両内には侵入できないと安心するのも束の間…。
・「第3話 手動開閉」
 生き残った乗客たちはどうしたらいいのか相談する。
 後部車両まで行って駅へ向かうか、それとも、ここで救助を待つか。
 とりあえず、後部車両へと移ると、女子高生と雄大という孫を連れた老婆がいた…。
・「第4話 車両移動」
 安心したのも束の間、モンスターは車両と壁の隙間に巨体を捻じ込み、こちらに接近してくる。
 反対側のドアから脱出するが、生命の危機に直面したことにより、今まで酔っぱらっていた女社長が『覚醒』する。
 女社長に指示され、皆、最後尾の車両へと逃げ込むのだが…。
・「第5話 脱出口」
 志隈たちの前に別のモンスターが現れる。
 引き返すわけにもいかず、モンスターの近くにあるドアに逃げ込むしかないのだが…。
・「第6話 虎口余生」
 状況は『前門の虎後門の狼』。
 しかも、皆のリーダー役であった等々力という中年男性がモンスターにはねられ大けがをする。
 志隈と睦月は力を合わせて、等々力をドアの中まで運び入れようと試みる…。
・「第7話 間接喫煙」
 逃げ込んだ先は用具室で、単なる物置に過ぎなかった。
 役に立つものはなく、しかも、等々力の傷は予想以上に重傷であった。
 ずっとここで籠城するわけにもいかず、志隈はある決意を固める。
 そんな時、一人の男が外の様子を見に行くと言うのだが…。
・「第8話 配管迷路」
 女社長は天井にダクトがあることに気付く。
 女社長、部下の岸本、志隈、睦月の四人はダクトを通って、救助を求めに行く。
 途中、ネズミの群れに襲われた際、志隈は縦穴に転落。
 横穴があり、彼は一人で様子を見に行くのだが…。

単行本A(「コミックDAYS」2019年6月〜10月)
・「第9話 新個体」
 志隈は成田と再会する。
 成田は死体から貴重品を奪っていた。
 志隈は彼の手伝いをさせられるのだが…。
 一方、用具室ではダクトからネズミの群れがなだれ込んできて、パニックになる。
 その時、ドアの向こうからこちらを覗き込んでいるモンスターの姿が…。
・「第10話 反逆」
 コーン、コーンという音が暗闇の向こうから聞こえてくる。
 志隈は救助だと思い、成田のもとから逃げ、音のする方向へ向かう。
 だが、その先は行き止まりであった。
 音が何なのか訝っていると、車両からうめき声が聞こえる。
 中には重傷を負った女児が取り残されていた。
 そこにモンスターが現われ…。
・「第11話 勇気」
 モンスターが用具室の前にまで侵入してくる。
 女子高生はモンスターを前に呆然自失。
 等々力は雄大に、彼女を部屋の奥に連れてきて、ドアを閉めるよう頼む。
 逃げ口はダクトしかないのだが…。
・「第12話 新発見」
 志隈はモンスターの意外な弱点を発見する。
 これなら、モンスターに見つからずに地下から脱出ができるはずであった。
 彼は睦月たちとの合流を目指す。
 その頃、女社長たちは志隈が落ちた縦穴を降りる。
 女社長は志隈が外堀線のトンネルに出た横穴を発見するのだが…。
・「第13話 出口」
 トンネルの壁に開いた穴。
 穴の向こうには駅があった。
 志隈は喜ぶも、ここは閉鎖された駅で地上への出口はなかった。
 そこで彼は同じ車両にいたユーチューバーの青年と出会う。
 彼は出口について心当たりがあるようなのだが…。
・「第14話 迷子捜索」
 女社長たちは縦穴を登り、もとのダクトに戻る。
 そこには女子高生が座り込んで泣いていた。
 彼女は雄大と逃げてきたが、上に通じるダクトからのモンスターに襲われた際にはぐれてしまっていた。
 とりあえず、女社長と岸本が来た道を戻ると…。
・「第15話 岸本」
 雄大は上に開いた穴の向こう側にいた。
 岸本は彼のところまで行き、無事、保護する。
 ところが、上穴から死体が落ちてくる。
 モンスターはそれをくわえようと上から口を伸ばすものの、つっかえて届かない。
 岸本と雄大はそのわずかな隙間を通って行かなければならない…。
・「第16話 貧乏性」
 志隈はユーチューバーの青年について行く。
 青年は夜間撮影用のドローンを持っており、それを使って、先の偵察を行う。
 ドローンは何かの障害物に当たり落ちてしまうが、送られた映像にはハシゴらしきものが映っていた。
 二人はドローンが落ちたあたりに向かうも、今度はモンスターの映像が…。
・「第17話 再会」
 女子高生は雄大と再会する。
 だが、雄大を捜しに行っている間に、睦月は勝手にダクトの外に出て、志隈を捜しに行っていた。
 彼女は壁に開いている穴が怪しいと考え、廃駅へと入る。
 そこで彼女が会ったのは…?

単行本B(「コミックDAYS」2019年11月〜2020年2月)
・「第18話 思惑」
 事故発生から二時間、警視庁(?)では現場の状況が全くわからず、対応に苦慮していた。
 そこに一人の男が現れる。
 彼は与党の参議院議員で安全保障調査会の山田次郎であった。
 彼はこの件の責任者と面会するのだが…。
・「第19話 説得」
 ユーチューバーの青年の機転により、志隈は助かり、地上への脱出に成功する。
 志隈は青年と共に警察に行こうとするのだが…。
・「第20話 勇気」
 地下鉄の駅前では警察官たちが防護衣を着て、中に入ろうとしていた。
 志隈は地下には化物がうようよいて、ちゃんとした武器が必要だと訴えるも、警察官たちには全く危機感というものがなかった。
 志隈は取り残された人々のことを思い、独自に行動することにする…。
・「第21話 潜滅」
 女社長たちはダクトで救助を待っていたが、水かさがどんどん増していく。
 これからの行動を考えていると、救助隊のボートがやって来る。
 女社長、岸本、女子高生、雄大はボートに乗るが、何かパイプのようなものがボートに接近してくる。
 それは潜水服のヘルメットをかぶった新手のモンスターであった。
 襲われた際に雄大と女子高生はボートから転落し…。
・「第22話 再突入」
 志隈は脱出と同じルートを通って、再びトンネル内に戻ってくる。
 そして、彼の後を、村田桜という記者が付いて来る。
 彼女はトンネル内にバケモノがいると興味津々だったのだが…。
・「第23話 機転」
 志隈と村田桜は小熊のようなモンスターに襲われる。
 このモンスターは口から火炎を放射し、地上へのハシゴには戻れない。
 更に、巨大なモンスターも現れ、二人は絶体絶命となる…。
・「第24話 蹂躙」
 このまま、水上にいるのは危険なため、女社長たちはまたダクトへと戻ることとなる。
 その頃、睦月は成田に捕まり、金品を奪う手伝いをされていた。
 更に、成田は彼女に欲情し…。
・「第25話 共喰い」
 志隈と村田は廃駅の線路にまで逃げのびる。
 外堀線に戻ると、膝の半ばぐらいまで水が溜まっている。
 訝っていると、村田が武器にしていた小熊モンスターが暴れ出す。
 見ると、暗闇から巨大なモンスターが姿を現わす。
 小熊モンスターを巨大なモンスターと対峙させ、二人はその隙に逃げようとするのだが…。
・「第26話 酒瓶」
 巨大モンスター用に志隈が用意してきた武器。
 それはワンカップを二つビニールテープで貼り合わせたものであった。
 彼はそれを巨大モンスター目がけて投げつけるのだが…。

単行本C(「コミックDAYS」2020年3月〜7月)
・「第27話 全力疾走」
 女社長、岸本、雄大がダクトの中で待機していると、志隈と村田がボートに乗ってやって来る。
 志隈は皆に地上への脱出口があることを告げるが、その時、トンネルの奥からズンという音がする。
 そして、地響きと共に、先ほどまで溜まっていた水がどこかに引いていく。
 一体何が起こっているのであろうか…?
・「第28話 釘」
 一行は廃駅に到達し、ハシゴのある場所へと向かう。
 途中、彼らの前に新たなモンスターが現れる。
 このモンスターの頭部には回転式のネイルガンが装着されていた。
 釘が乱射される中、志隈たちは身動きが取れなくなり…。
・「第29話 きりきり舞」
 ネイルガン・モンスターは傷を負った岸本を狙う。
 岸本は追い詰められ窮地に陥るが、モンスターの背後から志隈が彼に合図を送る。
 志隈は手にロープを持ち、何か作戦があるようなのだが…。
・「第30話 地下深奥」
 頼みの綱だったハシゴは無惨に破壊されていた。
 呆然自失の志隈に女社長はこの先に行こうと言う。
 線路を進んで行くと、取り壊しの途中らしく、トンネルがなくなり、先は洞窟のようになっていた。
 その先の柱の陰に睦月がしゃがみこんでいる。
 志隈は彼女に話しかけるのだが…。
・「第31話 貯蔵庫」
 睦月を追い、志隈は奥へと向かう。
 そこには鎖でつながれたモンスターが何匹かいた。
 また、壁際にはバラバラになった人体の入ったバケツが…。
・「第32話 轍」
 先に進むと、人々が細長い檻に一人ずつ入れられていた。
 彼らは何日も飲まず食わずで、必死に助けを求める。
 女社長はまず自分たちが脱出して、後のことは警察や消防に任せるべきと断言する。
 だが、志隈はそこまで割り切ることができず…。
・「第33話 再会」
 志隈と雄大は鍵が向こうの壁にかかっているのに気づく。
 そこは解体場らしき場所であった。
 二人はゆっくり忍び寄り、鍵に手を伸ばすと、背後で急に音楽が鳴りだす。
 音楽は壁際のシートをかぶせた中から聞こえるのだが…。
・「第34話 マゾヒグマ」
 岸本に志隈と雄大の様子を見に行かせ、女社長は一人。
 そんな時、そばの檻からモンスターが姿を現わす。
 モンスターは目と耳を覆っており、嗅覚だけが頼りのようであった。
 女社長は風下にいれば大丈夫と安心するが…。
・「第35話 絶縁体」
 モンスターは電気を発し、周囲のあらゆるものを感電させる。
 女社長はモンスターにつながっているケーブルに気付き、これを外せば大丈夫だと考える。
 と言っても、モンスターからはケーブルを外すのは無理で、コンセントを捜す。
 コンセントは檻の中にあるのだが…。

単行本D(「コミックDAYS」2020年7月〜10月)
・「第36話 大暴動」
 志隈と雄大は檻の鍵を開け、人々を解放する。
 人々は志隈の警告に耳を貸さず、皆、自分勝手に行動し始める。
 ある者は出口を求めて、明かりのある方に行き、ある者は復讐のため、モンスターを嬲り殺しにする…。
・「第37話 放電」
 女社長と岸本は放電モンスターから逃れるも、行く手にはフェンスがあった。
 普段なら簡単に乗り越えられるものの、今はいつ高圧電流が流れるかわからず、触れることすらできない。
 その時、檻に囚われていた連中が放電モンスターに気づき、集団で攻撃する。
 モンスターは暴れ、コンセントが抜けるのだが…。
・「第38話 決意」
 一人、物陰で救助を待っていた村田桜は睦月と出会う。
 村田は睦月にサンドウィッチを分け、彼女を励ます。
 すると、二人の前にモンスターが現れる。
 モンスターは暴徒に暴力を受け、瀕死の状態であった。
 モンスターを前に、睦月は…。
・「第39話 報道」
 村田と睦月は志隈たちと合流しようとするが、路地のような場所に迷い込む。
 睦月が明かりを目にして駆けつけると、そこには焼却炉があり、スーツケースやカバンが大量に集められていた。
 焼却炉の横で、睦月は自分の弓道の道具を発見する。
 一方、志隈、女社長、雄大はフェンスを越えて、先に進む。
 そこにはトンネル掘削用の巨大な立坑があった。
 そして、足場の下の穴底には幾匹ものモンスターが…。
・「第40話 人面獣心」
 睦月と村田は路地のような場所をさまよい続ける。
 ここは脇道が非常に多く、行き止まりだらけ。
 そんな時、二人はサラリーマンの若い男性と出会う。
 一人でも人数が多い方が心強いので、彼と合流するのだが…。
・「第41話 巨」
 村田の提案で、睦月たちは脇道を一つずつチェックしながら進む。
 サラリーマン男性は出口っぽい場所を先に調べた方が良いと言い、不満げであった。
 ある脇道に入ると、途中に格子のようなポールが何本か立っている。
 三人がポールの間を通り、先に進むと…。
・「第42話 穴」
 モンスターに襲われたことでサラリーマンの男性は逆上し、村田桜を殴打する。
 その姿が成田と重なり、睦月は…。
・「第43話 起重機」
 志隈たちは立坑にあるハシゴを登っていく。
 すると、上から巨大な電磁石のついたワイヤーが落ちてくる。
 穴底のモンスターの背中にも磁石があり、ワイヤーをモンスターを持ちあげる。
 モンスターが暴れると、ワイヤーが揺れ…。

単行本E(「コミックDAYS」2020年11月〜2021年2月)
・「第44話 貫」
 電磁石で持ち上げられたモンスターが立坑の壁に沿って円運動をしながら志隈たちに襲いかかる。
 彼らは壁に開いたトンネルに逃げ込もうとするが、志隈はモンスターの兜(?)の尖端にリュックの肩紐を引っかけられ、一緒に宙を舞う。
 女社長は志隈を助けるため…。
・「第45話 空中戦」
 女社長が囮となり、モンスターは鉄柱にしがみつく。
 彼女は志隈に鉄骨に掴まるよう言うと、自身は電磁石へと跳び移る。
 電源コードを抜かれ、モンスターは穴底に落下するも、今度は女社長が電磁石に取り残され…。
・「第46話 別離」
 女社長は重傷を負い、動けない身となる。
 彼女に救助隊を呼ぶよう頼まれ、志隈と雄大は上階を目指す…。
・「第47話 フック」
 村田桜は睦月を別れるものの、やはり、彼女のことが心配で、先程、巨大なモンスターに襲われた場所に戻る。
 そこには睦月の姿はなかった。
 更に、モンスターが鉄格子を破壊し、彼女に襲いかかる。
 彼女は脇道に逃げ込むも…。
・「第48話 人と獣」
 穴底のモンスターは電磁石で釣り上げられていなくなったものの、上の出口まではまだまだ遠い。
 半分ぐらいまで登るも、雄大の手は傷だらけになっていた。
 志隈は慎重を期して休もうと言うが…。
・「第49話 重機」
 穴底に桁違いの大きさのモンスターが現れる。
 その重さのために上に登ることはできないが、このままでは入り口付近にいる女社長の身が危ない。
 志隈は社長のもとに戻り、彼女をエレベーターの中に避難させようとするが、モンスターに見つかってしまう。
 囮となった彼は近くにあったフォークリフトに乗り込み…。
・「第50話 睦月」
 志隈の前に睦月が姿を現わす。
 彼は彼女のもとに駆け寄ろうとするが、彼女は近寄るなと一喝。
 一緒に逃げようと言っても、拒否され、志隈が戸惑っていると、上から何かがバラバラと降ってくる。
 それは…。
・「最終話 ひと」
 傷ついた志隈を背負い、睦月はこの場から逃げようとする。
 だが、上では扉が閉まりつつあった。
 彼らの運命は…?

 「餓獣」は地下鉄内で得体のしれないモンスターに襲われるサバイバル・ホラーの傑作…になりそこねた、とてもとても惜しい作品です。
 個人的にそう思う理由は三つありまして、以下に説明します。
@モンスターの説明が全くないこと。
 これは致命的です。弁護できません。
 モンスターはどこから来たのか?(もしくは、誰にどこでどのようにして創られたのか?)
 誰がモンスターをどのような方法で地下鉄トンネル内に運び入れたのか?
 また、その目的は何なのか?
 そのような疑問に対して答えは一切提示されません。
 また、地下鉄内に拉致された人々が檻に入れられていることに対しても何の説明もなしです。
 人間の解体を仕事にしているおばさん(第33話 解体」)や乗客の荷物が焼却炉で燃やされていること(「第39話 報道」)も、これが何らかの伏線になるのかと思いきや、投げっぱなしでした。
 ですので、読後、猛烈にもやもやします。
 この説明の欠如は、打ち切りになったために説明する余裕がなかったのか、もしくは、単に大風呂敷を広げすぎて、収拾がつかなくなったかのどちらかでしょうが、個人的には後者の印象があります。
 とりあえず、苦し紛れでもいいから、何かの理由をつけておいて欲しかったものです。
 「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」(1968年版)もスティーブン・キング「霧」も事件の原因は取ってつけたような感じでした。
 それでも、アイデアと圧倒的な描写で傑作と評価されました。
 「餓獣」は非常にテーマが魅力的だっただけにただただ残念です…。
A稀に見る強烈なバッド・エンド。
 これはちょっとないんじゃないでしょうか…。
 説明不足で全くワケのわからない状況の中、斯様なラストを迎えるので、人によっては「読んで損した」と感じると思います。
 まあ、ホラーなので、こういうのもありと言えばありなんでしょうが、娯楽作品としては非常に厳しいところです。
B主人公の行動が納得いかないこと。(これは人によって意見が分かれるかもしれません。)
 B巻で一度、地下鉄から地上へ脱出するも、また、地下鉄に戻る展開はどう考えてもありえないと思います。(しかも、ろくな装備もせずに…。)
 政府関係者や軍関係者と共に地下鉄内に戻り、モンスターの謎を解き明かしつつ、生き残った人々を助けていく…というストーリーの方が、ベタではあっても、常識的なように思います。
 この三つの理由の他にも、ヒロインがビミョ〜とか、都の対応が遅すぎとか、細かい不満がぽろぽろ出てきます。
 それでも、やはり、地下鉄トンネルの暗闇の中、キテレツなモンスターが跋扈する…という雰囲気は捨てがたいものがあります。
 悪夢的なイメージの数々を楽しむための作品と割り切れば、良いのかもしれません。

2025年1月25〜30日 ページ作成・執筆

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