成毛厚子「緑の呪文」(1987年3月14日第1刷・1989年11月20日第9刷発行)
収録作品
・「緑の呪文」
・「第1話」(「昭和61年発行 週刊少女フレンド第21号」所載)
「清水ゆきは同級生のいじめっ子グループから陰湿ないじめを受けていた。
クラス委員長の久美子は、清水ゆきに先生に訴えるよう勧めるが、彼女はすっかり萎縮してしまい、いじめっ子グループに逆らえない。
ある日、いじめっ子グループから逃げ出した、清水ゆきは逃げ込んだ地下室のボイラー室で、針の刺さった木彫りの人形と、外国語の文字の書かれた古ぼけた布を見つける。
その日の午後、いじめっ子のリーダー格の女性は、原因不明の激しい腹痛に襲われる…」
・「第2話」(「昭和61年発行 週刊少女フレンド第23号」所載)
「スポーツ少女の逸美、頭脳派の寛子、甘え上手でぶりっ子の結花里は仲良し三人組。
逸美が振った男子生徒と結花里が結ばれ、二人は逸美と寛子にバカップルぶりを見せる。
が、結花里は原因不明の痛みを訴えるようになり、遂には、錯乱状態になり、入院することとなる。
夜、逸美は結花里から電話を受け、「殺される」と助けを訴えられる。
急いで逸美は病院に駆けつけるが…」
・「第3話」(「昭和62年発行 週刊少女フレンド第1号」所載)
「青木幸恵は、ロンドンから先に日本に戻っていた友人、山室美智子が自殺したというニュースを聞く。
幸恵も美智子と同じ学校へ通うが、クラスメートは親切そうだが、どこかよそよそしい。
美智子のロッカーに布に包まれたものを見つけ、家に持ち帰り、見てみると、それは木彫りの人形に、待ち針、そして、ノートがあった。
ノートには、いじめに悩む美智子の思いが綴られていた。
一体誰が美智子をいじめ、死に追いやったのだろうか…?」
こんなことを書くと、顰蹙を買うでしょうが、「L」と「R」に発音の区別ができないぐらいで、どうのこうの言うやつらは皆、くたばれ!!
以上、個人的な鬱憤晴らしでした。
・「黒いささやき」(「昭和62年発行 週刊少女フレンド第7号」所載)
「由香が家庭教師を勤める弘樹は、頭は良いけれど、外で遊ぼうとはしない。
母親によると、去年までは普通に外で遊んでいたが、今年、親友が二人続けて自殺をしてから、家にこもるようになったと言う。
由香は弘樹を外に連れ出し、他の子供たちと触れさせようとするが、うまくいかない。
死にたくないと怯える弘樹から、由香は理由を聞き出すのだが…」
おお…動物パニックものの隠れた傑作「フェイズW」(米/1973年/ソウル・バス監督)を連想してしまいました。
子供部屋にガス栓とか多少の突っ込みどころがあるのですが、それを考慮に入れても、なかなかの佳作だと思います。
・「真昼の叫び」(「昭和61年発行 ハローフレンド9月号」所載)
「軽井沢に避暑に来た加代子。
自然を満喫したい彼女は、間違ったバスに乗ったのを幸い、誰もいない森の中を散策する。
クロマメノキ(浅間ブドウ)を見つけた加代子はそれを口にするが、彼女の近くに、麦藁帽子に虫取り網という少年がいた。
少年はおかしなことばかり言い、加代子は急に寒気を感じ始める。
少年のもとを去ろうとする加代子に少年はセミの抜け殻を渡す。
そして、加代子がまた「もどってきてくれる」と言い、その場から姿を消すのだった。
以降、加代子に奇怪な出来事が起こるようになる…」
平成27年4月12・13日 ページ作成・執筆