松本洋子
「見えない顔@」(1992年9月5日第1刷発行)
「見えない顔A」(1993年1月5日第1刷発行)

・「見えない顔」(「なかよし」1991年11月号〜1992年6月号)
「ある日、小野塚未来に、姉の翠(みどり)から電話がかかってくる。
 父親の交通事故死以来、未来は小野寺の家に預けられていて、姉とは十年も会っていなかった。
 姉は、殺されるかもしれないと助けを求めており、未来は、姉のいる城聖学園への転入を決める。
 この学園は、未来の実の母、館林緋沙子が学園長を務めていた。
 未来は寮に入り、姉の翠と相部屋となる。
 姉は脅迫状や嫌がらせを度々されていると話し、自分の死を予言しているようなところがあった。
 二日後の朝、未来が目を覚ますと、姉の翠が窓から転落死していた。
 転落した際、花壇の煉瓦に顔をぶつけ、顔はぐちゃぐちゃに潰れていた。
 学園長は翠の死を事故死として処理しようとするが、未来は姉は何者かに殺されたと考える。
 しかし、翠は、クラスの委員長、藤城晶子の一派に嫌われていたようで、未来は孤立無援に近い。
 そこに、幼馴染の秋庭貴生が、未来の後を追って、城聖学園に転入してくる。
 二人は、翠の死の真相を追うのだが、第二、第三の殺人事件が起こる。
 そして、いずれの事件も最も疑わしいのは未来であった。
 未来は、藤城晶子達が、姉の死に関係あると考えるが、どうも彼女達は未来のことを恐れているらしい。
 調べるうちに、明らかになる、翠の意外な素顔とは…?
 そして、殺人者の正体とは…?」

・「ネメシスの夜 復讐の女神」(単行本A収録/「なかよし」1991年8月号・9月号) 「夏休み。
 河野郁(かおる)は、友人の滝川景子に、各務雅洋(かがみ・まさひろ)の別荘に誘われる。
 他のメンバーは、佐久間Y子(あきこ)、中西(名前不明)、そして、郁が想いを寄せる生田一也。
 雅洋、Y子、中西、景子はお金持ちのグループで、郁は彼らとは付き合いがなかったが、一也がいたため、決める。
 雅洋の別荘は孤島にあり、そこで、彼らだけで五日過ごすことになる。
 別荘は古風な洋館で、雅洋いわく「ネメシス(ギリシア神話の復讐の女神)の館」とのこと。
 夕食後、雅洋は六本そろいの剣を見せ、前の持ち主のサラ金業者が密室で、この六本の剣に刺されて殺されたと話す。
 以来、この館では、殺された者に代わって、ネメシスが復讐を遂げると言われていた。
 その夜、郁は、窓の外に、手に剣を持ち、蛇が混ざった髪と、コウモリの翼を持った人物の姿を見る。
 誰も信じてはくれなかったが、翌朝、雅洋が鍵をかけた自室で、刺殺体となって発見される。
 その胸には、ネメシスの剣が刺さっていた。
 外部と連絡を取ろうにも、電話は通じず、彼らは船が迎えに来るまで孤立する。
 そして、一人また一人、何者かにネメシスの剣で殺されていく。
 雅洋達のグループにはは、過去に何か後ろめたい秘密があるようなのだが…。
 彼らは六人、そして、ネメシスの剣は六本…次の犠牲者は誰…?」

2021年9月7・8日 ページ作成・執筆

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