すねやかずみ「1年C組恐怖会議B」(1996年6月17日第1刷発行)

 天徳高校の臨海学校。
 最後の夜、海の近くの廃校になった小学校の体育館に1年C組の生徒達が先生達に内緒で集まる。
 彼らの目的は「百物語」をすることであった…。

・「第十五話 ウソじゃないよね」
「墨谷克美は語る。
 小学六年生の彼は、6歳の妹、アミと共に、ホラー漫画家、西田純一の仕事場に見学に行く。
 克美は憧れの先生の仕事を見て感動し、一方のアミは画用紙とペンをもらって「怪獣」を描く。
 アミの描いた怪獣は「ズール」という名で、「ウソをつくにんげんを食べ」、「冷ゾーコの中に住ンでる」という。
 西田純一は自分の漫画に「ズール」を出すと、アミに約束するのだが…」

・「第十六話 ペンが導くものは…」
「仙波龍一は『ガイドリング』の紙というものを取り出す。
 これは指導霊(ガイド)とコンタクトをするためのもので、要は「こっくりさん」。
 これには人が死ぬ瞬間に身に付けていたものが必要であったが、彼は祖父が死ぬ時に携帯していたペンを持ってきていた。
 彼は、奥瀬ちよこと久世夢子に立てたペンを両方から軽く持ってもらい、自分の人差し指をペンの尻に置く。
 すると、ペンが一人でに動き出し、質問に答えていく。
 「百物語を終えた時何が起こるのか」という質問には「きようふ」と答え、「つつける」よう指示。
 そして、続けなければ「しぬ」と告げられる。
 そこに体育教師の剛馬が現れ、生徒達を宿舎に連れ戻すのだが…」

・「第十七話 50年目の再会」
「翌朝、天徳高校の一行はバスで臨海学校を後にする。
 途中、1年C組の乗ったバスが濃霧で迷い、少し休憩をすることとなる。
 田中という男子生徒は展望台の看板を目にして、どんどん登って行ってしまい、仙波龍一、山咲吾朗、奥瀬ちよこ、久世夢子の四人は後を追う。
 深い霧の中、展望台は見当たらず、更に、にわか雨に襲われるが、その時、田中の呼ぶ声が聞こえる。
 声のする方に行くと、洞窟があり、とりあえず、ここで雨宿りをすることとなる。
 奥の方で何やら声がするので、行ってみると、赤ちゃんが地面に置いてあり、更に奥には人がぎっしり座り込んでいた。
 人々は皆、防空頭巾にもんぺという格好で、ここは「防空壕」だという。
 そして、赤ん坊の名は雄太郎で、母の美鈴は赤ん坊のご飯を取りにここから出ていったのであった。
 四人は危険を感じ、ここから出ようとするのだが…」

・「第十八話 死んだらどうなる…!?」
「臨海学校から帰って一週間後、奥田ちえこはお使いに出て、交通事故にあう。
 医者は彼女の死を宣告するが、彼女には意識があった。
 ほんのわずかながら、身体を動かせるも、誰にも気づいてもらえず、葬儀が進められていく。
 霊柩車を見送った後、クラスメート達が彼女の部屋で待っていると、ウサギのロウソクに火が付いていて…」

・「第十九話 久世家の秘密」
「二学期が始まるが、久世夢子が登校してこない。
 仙波龍一、山咲吾朗、奥瀬ちよこは心配して、放課後、彼女の家を訪ねる。
 夢子は父親と二人暮らしだが、父親は不愛想な男であった。
 指示された突き当りの部屋に行くと、夢子が全裸の状態でいた。
 実は、彼の父親は画家で、夢子はそのモデルを務めていたのである。
 夢子はもうすぐ絵は仕上がるので、来週から学校に出ると話すが、来週になっても、夢子は学校に来ない。
 もう一度、仙波たちは久世家を訪れるが、父親に追い返される。
 数日見ない間に、父親はげっそりとやつれていた。
 仙波は山咲の肩に乗って、高窓から中を覗くと…」

・「第二十話 悪魔からのプレゼント」
「東京。12月24日。
 1年C組の面々はある喫茶店でクリスマス・パーティをする。
 ワイワイ楽しくやってるうちに、お待ちかね、プレゼント交換の時間。
 皆が持ってきたプレゼントを袋に入れ、その中から順番にプレゼントを取っていく。
 でも、何故か、一つだけ余る。
 とりあえず、プレゼントを一か所に集め、自分の持ってきたプレゼントを各自が取ると、余ったプレゼントは消えていた。
 もう一度、プレゼントを配るが、また、一個余る。
 そこに、真坂というクラスメートが現れ、そのあまったプレゼントを持って帰る。
 そのプレゼントの中身はオシャレな腕時計なのだが…」

・「第ニ十一話 ターゲットは誰だ!?」
「大人気のガン・シューティング・ゲーム『KILLING STREET』(注1)。
 小学生のマサルは負けず嫌いだが、ゲームの腕はからっきし。
 ゲームをプレイするも、悪人でなく、人質や通行人、警官を撃って、すぐにゲームオーバーになり、やけっぱちになって、悪人以外を撃ちまくる。
 だが、それ以来、彼は町中で何者に監視されるようになる。
 遂には、見知らぬ一般人が彼を指さし、集団で追ってきて…」
(「少年マガジンスペシャル」1995年第1号〜第7号掲載)

 「百物語」がテーマだったのですが、月刊誌だと百話終わるまでに八年はかかりますので、途中から、主人公を四人に絞り、「百物語」の霊が彼らにとり憑き怪異をもたらすという展開になります。(「恐怖新聞」の影響あり?)
 主人公の四人は以下の通り。(単行本Bの表紙に四人のイラストが載ってます。)
 仙波龍一〜物語の主人公。四人のリーダー的存在。
 奥瀬ちよこ〜物語のヒロイン。龍一に想いを寄せている。
 山咲吾朗〜眼鏡男子で、ブレイン的な役割かと思いきや、そこまで活躍せず。
 久世夢子〜不思議少女&お色気キャラ。父親が画家で、そのモデルをしているというので、どこかの魔子さんみたいですな。この人もそこまで活躍の場がなく、本当に本当に本当に残念…。
 そして、C巻では更なる展開が待っております。

・注1
 ゲームのモデルは恐らく、「バーチャ・コップ」。
 私はセガ・サターンが大好きで(今も好き)、いろいろプレイしたけど、ガン・シューティングはやっぱり「ハウス・オブ・ザ・デッド」。
 ヘタクソでクリアしたことないけど、音楽がいいんだ!!

2023年3月14・23日 ページ作成・執筆

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