宮脇明子「イノセント」(1996年1月12日発行)

「宛田エリカは大人しい、一見、普通の少女。
 だが、彼女を取り巻く環境は非常に厳しいものがあった。  高校は、その町を取り仕切る椎名建設の娘(通称シーナ)が一切を支配し、ふとしたことがきっかけでエリカは目をつけられていた。そのため、エリカは親密な友人を持つことができず、趣味のアニメという細い糸だけでつながっているだけだった。
 また、家庭は、頑迷なほど、厳格な父親がエリカの生活の一切を縛り付け、常に優秀な姉と比較し、エリカに有名大学に受かるよう、ただそれだけを言い続ける。母も姉も自己中心な父親に愛想を尽かし、家族の心はバラバラであった。
 エリカは自分の心を押し殺しながら、日々をどうにか耐えていくが、彼女の前に素敵な男性、弘生(ひろお)が現れる。
 弘生は彼女の凍てついた心をゆっくりと溶かし、エリカも弘生に安らぎを感じるようにある。
 しかし、それはシーナの仕掛けた罠だった…」

「キャリー」でおなじみ「超能力少女暴走の巻」です。
 こういう作品は、如何に主人公の境遇が悲惨であり、ムゴい目に遭うか…というところをきっちり描写する必要があるのですが、その点は抜かりなく、きっちり主人公の悲惨さを描写しております。(かなりゲンナリします。)
 そこで、超能力が暴走して、問答無用で周囲の人間を皆殺しにするところが快感のですが、このマンガでは控えめです。
 かつ、非常に良心的なハッピーエンドで締めております。
 まあ、こちらの方が後味はいいのですが、個人的には、あのシーナとその一味は挽肉にしてしまった方が面白かったように思います。あくまでも個人的にですが…。

 
平成27年2月13日 ページ作成・執筆

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