菊川近子「見えない叫び」(1986年4月14日第1刷発行)

 収録作品

・「見えない叫び」(「昭和60年発行 ハローフレンド11月号」所載)
「良子の母、麗子は、心臓病に苦しむ身。
 再婚相手の浩一は、看護婦の高恵とデキていて、麗子を殺害を共謀する。
 麗子は、浩一と高恵が自分を殺す計画を地下室で相談しているところを発見し、地下室に高恵がいるのを知りながら、地下室のドアをレンガで封じるように、浩一に言う。
 麗子の指図どおりに、浩一は地下室のドアをレンガで塞ぐが、その時以来、麗子は高恵の気配を感じるようになる…」

・「自殺志願 ー名前のない少女ー」(「昭和60年発行 ハローフレンド9月号」所載)
「ある大雨の日、未久と兄は橋の欄干から川に身を投げようとする少女を見かける。
 急流に身を投げた少女を追って、未久の兄も川に飛び込み、少女は助かるが、兄は力尽き、流され死亡。
 騒動の最中、少女は姿を消してしまう。
 未久は、兄が溺死する原因となった少女を捜し続け、ようやく再会。
 そして、未久は少女から彼女の不思議な身の上話を聞く…」

・「3人目の恐怖」(「昭和60年発行 ハローフレンド7月号」所載)
「春香は電車で友人の章子とそっくりな女性を見かける。
 その翌日には、章子が利行という男性から婚約者の可絵という女性と間違われるという出来事が起こる。
 数日後、春香のおじの別荘を訪ねた春香と章子だが、そこで利行と可絵と偶然出会う。
 しかも、別荘の近くの喫茶店には章子にそっくりな美雪という女性がアルバイトで働いていたが、美雪は今どこにいるのかわからない。
 利行に想いを寄せる章子は、どこか挙動不審な可絵に疑いを抱く…」

・「消えたクラスメート」(「昭和59年発行 ハローフレンド12月号」所載)
「高校一年の時から、父親の仕事の都合で海外生活を送った秋庭さとみは日本に戻ることになる。
 高校三年として以前のクラスメートとの再会することを楽しみにしていたが、一抹の不安があった。
 日本を離れて数ヶ月で、文通を約束していた、親友の石沢美季と連絡がつかなくなったのだった。
 再びもとの高校に戻るさとみだが、五クラスあったのに、一クラス少ない。
 訝りながらも、手続きのために職員室に向かおうとすると、懐かしい顔ぶれが揃った教室が目に入る。
 さとみは教室を訪ねるが、皆、顔に生気がなく、さとみをじっと見つめるばかり。
 そのうち、皆、苦しみだし、血まみれになり始める。
 その中には、親友の美季の姿もあった…」

平成27年5月10日 ページ作成・執筆

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