御茶漬海苔「怪談」(1995年12月12日第1刷発行)
収録作品
・「怪談」
「第一話 チク子」
小学校四年生の優等生、才田優。
彼のクラスには、チク子というあだ名の、すぐ先生にチくる女児がいた。
ある日、優は、おもちゃ屋で万引きする現場をチク子に目撃されてしまう。
優は学校裏の底なし沼までチク子を追い詰め、石で殴打、その身体を沼に沈める。
その際、助けを求めるチク子に、胸につけていた、少年探偵団のバッチをもぎ取られてしまう。
約十年後、昔の同級生からその沼を埋め立てるという話を聞いた優は、バッチを取り戻すため、夜、その沼に向かうのだが…。
「第二話 地獄坂」
深夜の山道を走るライダー二人。
彼はコンビニ前でカップ酒を呷る老人から、その先にある地獄坂に出る幽霊の話を聞く。
午前三時に道の真ん中に裸の少年の亡霊が現れ、もう五人も事故していると言う。
鼻で笑いとばして、夜道に出かけたライダーであったが…。
「第三話 樹海」
樹海に死体を探しに出かけて、道に迷ってしまった二人の青年。
彼らが辿り着いた小屋は、自殺者が最期の時を過ごすところであった。
そこには自殺者の最期の言葉が書き記されたノートが置いてあり、それを読んだ青年は…。
「第四話 トイレ」
夜道をドライブ中のカップル。
彼らは山中の道端にある、木造のトイレに立ち寄る。
そこのぽっとん便所にに潜むものとは…。
「第五話 地下トイレ」
ピンチに襲われた男性が駆け込んだ地下トイレ。
奥の個室が開いており、事なきを得たが、壁に「このトイレに入ったやつはみんな死ぬ〜」と書かれた落書きに気付く。
しかも、トイレットペーパーは血のように真っ赤。
男性はトイレから出ようとするが…。
・「魔童御茶漬」
「天才科学者の魔童(マッド/キャラはミニ・御茶漬海苔)と、気弱な少年、優太は友達どうし。
二人は行く先々で、優太をカツアゲする不良達(「マッド・マックス2」風味)、サディスティックな女教師、マッドな理科教師と対決する。
そして、魔童の決めゼリフ「呪ってやる」が炸裂する時、何かが起こる…。」
・「おばあちゃんの人形」
「小学校四年の夏休み、祖母の看病のため、静香は母と共に田舎を訪れる。
静香は母親から祖母は頭がおかしくなっているから、近づかないよう言われる。
母の話だと、祖母は人形を実の子供のように大切にしているらしい。
しかし、あまりしつこく呼ばれるため、静香が祖母の部屋に入ると…。」
・「幽霊坂」
「幽霊坂には、坂を登りつめたところに、女の幽霊が出るという噂があった。
その幽霊は「目をください」と頼むのだが、その時に、はっきりと断らないと、目を取られてしまうのだと言う。
その坂を登る女子高生が二人…彼女達が出会ったものとは…。」
面白いのですが、ストーリーが物足りない作品(「怪談」の「トイレ」「地下トイレ」等)があるのが、ちと残念。
「魔童御茶漬」は作者の妙なギャグ・センスが冴えを見せ、かなり好きです。
ただ、目次に載っている「あとがき」が存在しないのがいただけません…。
2017年1月20日 ページ作成・執筆