関よしみ「マッドハウス」(1995年8月9日発行)
収録作品
・「マッドハウス」
「真柴このみの隣の家。そこは以前から住む人を狂わせると噂されていたところだった。
妻が夫と幼い子供を二人殺して自殺した事件から、数ヶ月過ぎた後、黒沢という家族が引っ越してくる。
小説家の父親、園芸が趣味の母親、このみと同学年の詩織、祖父の四人家族。
一見普通の家族だったが、黒沢一家が引っ越してきてから、このみの周辺でおかしなことが起きるようになる…」
・「愛の墓標」
「とある町で開催される『ベストパートナーズ・アドベンチャーゲーム』。
この世でいちばん大切だと思っている人とペアで参加でき、賞金は何と十億円!!
しかし、これを企画したのは、長い人生において「愛」というものに恵まれなかった億万長者の老人であった。
参加した人々はパートナーへの「愛」を証明する為に、生きるか死ぬかの過酷なゲームに直面することになる…」
・「愛の食卓」
「冬山で遭難してから二ヵ月後に、奇跡的に生還した志水優歩。
一緒に遭難した、医者の父親は白骨で発見された。
母親は優歩を自宅に引き取り、介護するが、食事を受け付けない。
ある肉を除いては…」
・「死にたいの」
「家族から虐待同様の扱いを受けている幼女。
彼女は病気がちで、家族から手厚い扱いを受けていたのに、何故皆冷たくなったのかわからない。
思い余った彼女は首吊り自殺を図るが…」
怪奇マンガ史上に残る一冊であり、関よしみ先生の絶頂期を代表する一冊でもあります。
大傑作「愛の墓標」のみが有名ですが、今となっては、ボケ老人に変質者、偏執狂が騒ぎを起こす「マッドハウス」の方がもっとリアルで、不快かもしれません。
また、小品「死にたいの」も凄まじくイヤな余韻を残します。
子供の頃、小遣いはたいて、買ったマンガがこれだったら、頭抱えるでしょうね〜。
平成27年3月12日 ページ作成・執筆