月森雅子「世紀末の聖母」(1991年12月10日第一刷発行)

 収録作品

・「嬰(みどり)の卵」
「西行法師が人造人間を捨てたという伝説のある森。
 神無月桜子は、その森の中に、不気味な人形の姿を見る。
 その話をクラスメートにすると、久堂という男子生徒がその話に乗って来る。
 桜子と久堂はもう一度、その森を訪れるが、桜子が人形によって森の奥へと引きずり込まれる。
 久堂が彼女の後を追うと、森の奥の空き地には人家があった。
 そこには人形作家を名乗る青年が住んでおり、二人は雨宿りをすることとなる。
 人形作家が言うには、この森には「人造人間の幽霊」が住んでいるとのことなのだが、その正体とは…?」

・「万華迷宮」
「清水百合花には、双子の兄がいた。
 彼女が六歳の時、兄は、帰りが遅くなった彼女を捜しに外に出て、交通事故死する。
 百合花が兄の死を嘆いていると、鏡の中に兄が現れ、彼女が彼のことを忘れなければ、彼はずっと鏡の中にいると話す。
 以来、彼女は兄のことだけを考えて過ごしてきた。
 だが、年頃になった頃、彼女の前に、木下という青年が現れる。
 彼は彼女に想いを寄せ、しきりにアタックする。
 鏡の中の兄は憎悪に燃え狂うが、百合花は木下に惹かれていく。
 遂に、彼女は鏡の中の兄と決別しようとするのだが…」

・「世紀末の聖母」
「北九州、島原市。
 路香(みちか)は「動物の心をひきつける」能力をもった、普通の女子学生。
 ある日の登校途中、「聖母(マリア)よ」という声が聞こえ、彼女は地面に引きずり込まれる。
 気が付くと、そこは寛永十四年(1637年)の島原で、彼女は、天草四郎時貞とニコラス・ドレアによって召喚されたのであった。
 天草四郎は彼女と行動を共にするうちに、彼女が「聖母」という確信を強めていく。
 また、彼女によって、天草四郎の力はどんどん解放され、領民達の間で、天草四郎の評判はどんどん高まっていく。
 路香は、乱を起こさないよう、天草四郎を止めようとするのだが…」

・「月森雅子の恐怖ストーリー」
 作者のユル〜い心霊体験を漫画化したもの。

2020年1月28日 ページ作成・執筆

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