関よしみ「マッドパパ」(1995年4月13日発行)

 収録作品

・「マッドパパ」
「藤井凡子(なみこ)は年頃の中学生。
 下品で無神経、かつ、だらしない父親に嫌悪感を募らせる日々。
 そんな中、凡子の住む町の市長が無料の「カウンセリングセンター」を設置。
 そのカウンセリング・センターに行くと、二十四時間後には品行方正で理想的な親に生まれ変わると言う。
 娘に嫌われたくないばかりに、凡子の父もカウンセリング・センターを訪れるが、家に帰ってきた時には、ナイス・ダンディーとなっていた。
 単純に喜ぶ凡子だが、徐々に父親に違和感を覚えるようになる。
 そして、カウンセリング・センターに行った大人達も同じようにおかしくなっていく。
 彼らの首の後ろに貼られた絆創膏の秘密とは…?」
 母親が自分の指をアスパラガスと一緒にぶつ切りにしていくシーンが、大の苦手です。やめてくれ〜。(注1)

・「マッド・サマー・スクール」
「T大合格に実績のある合宿ゼミに参加することができた段坂祥実(だんざかひろみ)。
 このゼミは受講者が十名だけと言う、狭き門。
 ゼミを行う場所は、オフィス街の真ん中のビルの33階にあり、8月10日から30日にかけてカンヅメ状態でみっちり行われる。
 が、盆の最中、ビルに落雷、自家発電装置が故障、先生達を乗せたエレベーターは墜落、生徒達はビルの中に閉じ込められてしまう。
 電気もガスも水道も通じず、外部に連絡する手段もない。しかも、盆のオフィス街はほぼ無人。
 必死に脱出の糸口を探る生徒達に、暑さによる渇きが容赦なく襲い掛かる…」

・「笑わせろ!」
「ムーンライトビルの屋上展望台に来ていた仲良し四人組(男女二組)。
 そこへ銀行強盗の逃亡犯が二人、バイクで乗り込んできた。
 逃亡犯は無差別に発砲し、生き残った人々を人質にして立てこもる。
 冷酷無慈悲は彼らは人質になった人々にある「要求」をする。
「オレの人生 楽しいことはなにひとつなかった 死ぬまえに腹がよじれるぐらい大笑いして」みたいとのこと。
 うまく笑わせることができたら解放されるが、つまらなかったら、即射殺。
 命を賭けた演芸大会が始まる…」
 ブラック・ユーモア炸裂の逸品です。
 こんな状況だから仕方がないのかもしれませんが、皆、お笑いのセンスが低すぎるのが、ツボなのです。
『「羊カンはよー噛んで食べよォ」とシャウト→即射殺』は、「ドラゴンボール」の「鼻をほじって、銃殺」と並ぶ、悲惨な死に方です。
 お次の「ズッコーン ズッコーン」は即効射殺されても仕方ありませんわな。
 私だったら、パピィ(「お父さんは心配症」)の「おすもうさん」で勝負しま…ズキューン!!

・「死にたいの2」
「勉強勉強の毎日に嫌気のさした女子高生。
 彼女は現実から解放されることを願い、自殺を決意する。
 流れ星のあった翌日、彼女はポケットに遺書をしのばせ、死に場所を探す。
 ところが、彼女の行く先々で投身自殺、薬物自殺、自動車への飛び込み自殺が相次ぎ、自殺しそびれる。
 気が付くと、町中の人間が片っ端から自殺しているのだった…」
 これまたブラック・ユーモア溢れる佳作であります。
 ちょっぴりジョン・ウィンダム「トリフィド時代」が入っているところが嬉しいですね。
 ちなみに、舞台はまたしても「Y県S市」…こんな物騒なことが起こったなんて、知らなんだ〜。

・注1
 ネギではなく、アスパラガスだという御指摘がありまして、訂正いたしました。
 御指摘、わざわざありがとうございました。(でも、やっぱりあの描写は勘弁してくれ〜。)

平成27年3月25・26日 ページ作成・執筆

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