吉永龍太「ムカデムラ」(2018年6月8日第1刷発行)

・「ムカデムラ・前編」
「西八ヒトエ(18歳)は売れない地下アイドル。
 彼女は「幻の巨大ムカデを喰いつくせ!!」という企画のため、連杉村(つらすぎむら)に向かう。
 途中、食堂に寄ると、鳥山碩麗(とりやま・せきれい)という謎のマント男に話しかけられる。
 彼女が連杉村で巨大ムカデを食べるという話をすると、彼は早く帰るよう警告する。
 食後、ヒトエは連杉村に着き、案内役のササという老婆に迎えられる。
 夜には準備ができるというので、お寺の横の家で彼女はまったり過ごしていると、突如、何者かが寺の鐘を乱打する。
 犯人は村の変わり者、風という男の仕業であった。
 人々が寺に集まると、本堂にヒトエのマネージャーの死体がある。
 その死体の肛門は大きく開いていた…」

・「ムカデムラ・中編」
「村の様子がおかしいことに気付き、ヒトエは鳥山碩麗と共に逃げようとする。
 しかし、寺の中で村人達に見つかり、更に、マンダラの掛け軸の後ろから異形の化物が現れる。
 その化物は、僧侶のミイラを先頭に、何人もの人間がつながっている「ムカデ人間」であった。
 村人達はヒトエ・碩麗・ムカデ人間を巨木のある場所へと連れて行く。
 そこで「オツナギ」の儀式が行われるのだが、その実体とは…?
 そして、村人達の思惑とは…?」

・「ムカデムラ・後編」
「ヒトエはムカデ人間の最後尾の肛門に顔を突っ込まれる。
 しかし、それだけで終わりではなく、あるものが彼女に襲いかかる。
 彼女の必死の抵抗により、ムカデ人間は暴れ始め、あたりは大混乱。
 その時、一人の男が村を救うために立ち上がる…」

・「ムカデムラ2・前編」
「今回、西八ヒトエは「新作アプリ発表会」の仕事を得る。
 会場はK談ヒルズという大きなビルで、依頼主は極楽杉電子工業CEOの極楽杉充(ごくらくすぎ・みのる)であった。
 彼女の仕事はアプリの発表会の間、スマホ片手に立っていること。
 「ニルヴァーナ」というアプリは、ユーザーの体内を自由に操作できるというもので、スマホから出る電波が「腸」を刺激して、様々な効果が期待できると言う。
 会場は大盛況で、人々は皆、そのアプリをダウンロードする。
 だが、発表会の後の会食で、人々に異変が起こり…」

・「ムカデムラ2・後編」
「これらは全て、極楽杉充の計画で、彼はムカデ人間を自分の身体につなげ、「新しい世界」の王になろうとする。
 そして、「救済と復讐の女神」たるヒトエをツナゲれば、「キングセレブ」は完成する。
 絶体絶命の大ピンチの時、あの男が現れる…」
(「NEMESIS」(月刊少年シリウス別冊)♯24(2015年10月)〜27(2016年4月)、29(2016年8月)、30(2016年10月)掲載分を収録)

 知名度は恐ろしく低いと思いますが、どえりゃあ怪作です。
 wikipediaによると、C級ホラー映画の「ムカデ人間」(未見)のコミカライズということですが、吉永龍太先生は好き放題やっている模様です。
 また、ストーリー、絵柄、キャラ共に恐ろしくクセの強く、どこか偏執狂じみているため、一般受けはしないでしょう。
 でも、絵は決して下手ではなく、作品に対して手抜きはしておりません。
 B級漫画と思って、バカにしていると、弾け飛んだ展開が待ち受けていて、(良い意味で)唖然…。
 思わぬ掘り出し物でした。(吉永龍太先生、「幸せ」な時間をありがとう!!アーメン。) 

2023年11月17・19日 ページ作成・執筆

講談社・リストに戻る

メインページに戻る