曽祢まさこ「呪い髪」(1994年10月13日初版発行)
収録作品
・「呪い髪」(「ホラーハウス 88年11月号」)
「くせっ毛で、ボーイッシュな高城美紀は、自己嫌悪気味な女子高生。
だが、同じクラスの、長い黒髪がよく似合う藤村真由子に、幼馴染で、ボーイフレンドの司を奪われる。
更に、そのことをネタに陰口をたたかれ、美紀は真由子に憎悪を燃やす。
ふとしたことから、真由子の黒髪を一本手に入れた美紀は、あることを思いつく。
それは呪いの人形にその黒髪を入れて、人形に日に一本針を刺していくというものであった。
そして、針が十三本に達した時…」
最後のコマが意外と怖かったりします。斯様なオチはまさに「曽祢まさこ節」です。
・「薔薇の棺」(「ホラーハウス 1989年2月号」)
「幼少の頃より、茜(あかね)は妹の紫(ゆかり)を心から大切に思い、絶えず目を配る。
というのも、紫には一つだけ困った癖があり、それは無意識のうちに、血を求めて、飲んでしまうことであった。
吸血鬼のような癖を直させようとするものの、どうにも治らない。
また、衝動を抑えようとする、紫の努力も決して実らなかった。
時は流れ、紫が15歳になった時、遂に…」
・「惨劇の夜」(「ホラーハウス 1989年6月号」)
「宮原千尋、伊藤鈴子、樋口萌の三人はある私立の女学院の仲良しグループ。
両親が留守ということで、宮原千尋の屋敷に鈴子と萌が泊まりに来る。
邪魔するものはなく、三人は楽しく過ごすが、萌は「死んだ」みのりのことを思い出してならない。
その不吉な予感を証明するかのように、その夜、屋敷で惨劇の幕が開くこととなる…」
派手ではありませんが、B級ホラーの要素が盛り込まれておりまして、嬉しい限りです!!
こめかみにアイスピックは「13日の金曜日 part2」でしたかね。
(長い間、観返していないので、記憶が定かでありません。「part 3」の顔面挟み潰しを再見したいものです。)
・「春を夢見て」(「ホラーハウス 1990年1月号」)
「雪の吹き荒れる日々が続く冬。
屋敷で住む一族は春を来るのをひたすら待ちわびる。
しかし、屋敷の周囲には危険な「野良犬」がいっぱいで、武装した彼らは警戒を怠らない。
彼らは無事に春を迎えることができるのであろうか…?」
・「蜜の部屋」
「高校二年の春休み、江梨は、おばが海外旅行に出かける二週間、おばのマンションの留守番をすることとなる。
その「503号室」はとってもオシャレな部屋で、一人暮らしに憧れていた、江梨は大はしゃぎ。
また、住み心地も抜群で、どんな小さなストレスも感じない。
しかし、男友達の純を部屋に誘った時、この部屋の本性に江梨は気付くこととなる…」
大陸書房の単行本の四編に、「蜜の部屋」を加えて、再刊したものです。
2019年3月20日 ページ作成・執筆