佐伯かよの「紅いG線」(1994年7月13日第一刷発行)
収録作品
・「紅いG線」(原作・池田悦子)
「有馬螢(ありま・けい)は、実業家の父と、引退した天才バイオリニストの母を持つ、お嬢様。
彼女は、新人の登竜門と言われるコンクールに出場するが、度重なる妨害にあう。
どうにか乗り切るも、母が裏で糸を引いているらしい。
更に、母は、螢は命をも奪おうと目論む。
その原因は、螢の出生の秘密にあった…」
・「マルチ・インセクト」(1980年「少年/少女SFマンガ競作大全集PART.9」)
「宇宙空間でトラブルを起こした輸送船。
製水機の故障により、荷物の豆トウモロコシが発芽し、重量オーバーになってしまったのであった。
修理のため、ジャックとラルフは、地球型の惑星を探し、そこへ着陸する。
そこには、人類に極めてよく似た生物が生活を営んでおり、二人は、ローナという生物と知り合いにある。
この惑星は食物が貧弱なため、彼は栄養不良で、非常に飢えていた。
ローナの紹介で、ジャックたちは、惑星の女王に会う。
ここでは、蜂と同じく、女王と、彼女の子供達で構成され、女王の子供達は皆、美形であったが、雄であった。
そして、彼らには知られざる生態があるのだが…」
・「炎の伝説」(1975年「りぼんお正月増刊号」)
「高橋修二は、モデルの流火(るい)と運命的な出会いをする。
彼女は、カメラマンの兄、高橋光一が熊本の山奥で発見して、一年契約でモデルを務めてもらっていた。
天真爛漫な彼女に修二は惹かれていくが、彼女にはどうもおかしなところがある。
彼女には、父親は最初からおらず、母親は彼女が産まれた瞬間に死んだらしい。
また、修二の兄は、彼女の身体が赤い炎に覆われるのを幾度か目撃する。
ある時、修二は、熊本によく旅行に行っていた祖父のスケッチブックに、流火にそっくりな娘の絵を発見するのだが…。
流火の正体とは…?」
・「白い世界」
「圭子は、自分の容姿にコンプレックスを抱く、内気な少女。
彼女は平野二郎という青年に想いを寄せるも、積極的になれず、美人で自信家の礼子に憧れる。
ある夏の日、海に突き落とされた圭子は、自分の意識が礼子と入れ替わっていることに気付く。
どうも、自分が礼子だったら…と強く願いながら、意識を失うと、彼女の身体に入れるらしい。
これを利用して、圭子は、礼子の身体に入り込み、二郎とデートをして過ごす。
別れ際、彼女は、彼が夏祭りの後、引っ越しをすると聞かされる。
圭子は、これを最後と、礼子の身体で、彼に会うのだが…」
2020年1月22日 ページ作成・執筆
2020年9月7日 加筆訂正