菊川近子「紅色の骨C 鬼神の妄執編」(2002年3月12日第1刷発行)
収録作品
・「残酷のパズル」
「Piece1 凶獣の誕生」(1986年発行「ハローフレンド」10月号/所載)
「三人組の男達によって、両親を殺害された中原実生。
実生は叔母にあたる雨宮夫妻のもとに引き取られる。
事件から一月経った頃、偶然に、実生は雨宮のおじが三人組の男達と関係があることを知る。
両親を殺した奴らに対する憎悪が極限まで高まった時、その憎悪が黒豹へと姿を変え、復讐を開始。
そんな彼女の前に、フリーライターを名乗る早瀬圭二と名乗る青年が現れる…」
「Piece2 暗闇への出発」(1986年発行「ハローフレンド」12月号/所載)
「雨宮夫妻のもとを出た実生は、早瀬圭二のもとに身を寄せる。
そこで、実生は自分の父親が、政府高官と大企業との間の贈賄事件に関する口封じのために殺されたことを知る。
実生は、この事件を突き止めるために、圭二に協力することを申し出る。
しかし、圭二の婚約者を前にした時、実生の中の凶獣が再び頭をもたげる…」
「Piece3 魔界の使者」(1987年発行「ハローフレンド」2月号/所載)
「贈賄事件の鍵を握る人物が次々と消される中、最後の人物、楠本も変死を遂げる。
だが、楠本は、来日中のブーズー教の使い手、レチアに復讐を依頼していた。
レチアは楠本の死体に術をかけ、ゾンビとして蘇らせ、楠本を殺した相手を殺していく。
雨宮のおじも殺され、このままでは真犯人を法律で裁くことができなくなると、実生と圭二は楠本のゾンビを阻止しようとする…」
「Piece4 魔界の使者」(1987年発行「ハローフレンド」2月号/所載)
「楠本による復讐の最後のターゲットは、汚職事件の黒幕、笠原総一郎であった。
実生と圭二は、笠原をレチアの魔術から守り、笠原本人を自首させようと奔走する。
一方、レチアは楠本との契約を完遂するために、より一層の魔力を注ぎ込む。
レチアの魔力により、館内の警官やガードマンは皆眠りに落ちた隙に、楠本のゾンビが笠岡に襲いかかる。
その場に駆け付けた圭二と実生は、心の奥に棲む凶獣を解放させて、対抗しようとするが…」
・「過去を知る黒子(ほくろ)」(「1981年発行 ハローフレンド11月号」)
「周子が企画した百物語の会。
会には、いつも周子が反抗的な態度を取る絵島先生が招かれていた。
クラスメート達は次々に怖い話を披露し、百話目は周子の番。
周子は十年前、彼女が幼い子供の頃に目撃した殺人事件について話し出す。
それは事故死として処理されたが、実際は計画的に仕組まれたものであった。
そして、その犯人には…」
・「黄泉への誘い」(「1982年発行 ハローフレンド5月号」)
「弘美の通う学校には、ある階段の踊り場に幽霊が出るという噂があった。
噂の階段で、弘美は赤い服装の女性を見かける。
その時は気にかけなかったものの、赤い服の女性は弘美の行く先々の出没する。
その女性に案内され、弘美は女性のアパートと名前を知るが、当の女性はしばらく前から行方不明であった。
弘美は彼女の行方を突き止めようとして、最近知り合った国任という男性に相談する。
どうも国任は、その女性と何かつながりがあるようなのだが…」
KCフレンドの単行本「残酷のパズル」と、「百の眼が見ていた」から二編、採られております。
2017年1月1日 ページ作成・執筆