亜樹直・原作/ひきた美幸・漫画「学校の怖い噂A」(1994年9月16日第1刷・1995年9月25日第4刷発行)
・「第6話 謎のRPGの噂〔前編〕」
「坂田裕之(仮名)はクラスで一番のゲーム通。
彼の友達の横山由二(仮名)もゲームに詳しく、二人はしょっちゅうゲームの話をしていた。
ある日の帰り道、由二は裕之にとっておきの情報を教える。
人気RPG「ファイナル・サーガX」(ハードは恐らく、スーパーファミコン)をクリアした後、画面をそのままにしておくと、別のゲームが始まるという。
早速、家に帰って、そのゲームをクリアすると、由二の言う通り、「天国の世界にようこそ」というメッセージと共に、別のゲームが始まる。
だが、部屋に母親がやって来て、その日のゲームはそこまでであった。
翌日、由二に会うと、彼の顔色が悪い。
由二は別のゲームをプレイしている時、変なメッセージが出たと話す。
そのメッセージは「24時間のうちにゲームをやり終わらなければ おまえは死ぬ」というものであった…」
・「第7話 謎のRPGの噂〔後編〕」
「裕之も由二と同じメッセージを受け取り、それが事実だと知る。
急いで家に帰るが、帰り道、大鎌を持った死神のような影に追いかけられる。
自分の部屋で、彼はゲームを始めるが、難易度が高過ぎで、クリアできそうにない。
ゲームをやめようとするも、電源を切っても、ゲームは終わらない。
仕方なく、彼はゲームを再開するが、残り時間は二時間を切っていた…」
・「第8話 トカゲ先生と宇宙人の噂〔前編〕」
「埼玉県。
山室孝(仮名/12歳)は中学校に入ってから、ブラスバンド部に入る。
理由は、顧問の設楽(したら/仮名)先生に憧れたからであった。
設楽先生は独身かつ美人で、音楽を担当していた。
孝は設楽先生に注目してもらうため、張り切って練習をする。
ゴールデン・ウィーク明けの放課後、彼が音楽室に一番乗りすると、設楽先生の様子がおかしい。
先生は風邪気味だと言うが、手首には無数の小さな噛み傷らしきものがあり、肌が異様に冷たい。
更に、肩にかけている魔法瓶をとても大切にしていて、彼に触らせたくない雰囲気であった。
皆が集まってきて、先生は普通に戻る。
だが、以来、先生は学校を休みがちになり、孝は先生が病気にかかっていたと考える。
ある日の放課後、音楽室からピアノの音が聞こえてくるので、孝は覗いてみる。
ピアノを弾いていたのは設楽先生であったが、彼女は恐ろしくやつれていた…」
・「第9話 トカゲ先生と宇宙人の噂〔後編〕」
「音楽室で設楽先生に飲まされた緑の液体。
その液体を飲むと、小さな宇宙人の群れが彼の身体に群がってくる。
その場から彼は逃げ出したものの、何故か、普通の食事ができなくなる。
無性にあの液体が飲みたくなるも、設楽先生の変わり果てた姿が目に浮かび、その欲望を必死に抑える。
夜中、彼は半ば無意識のうちに起きだし、目が覚めた時、音楽室の前にいた。
音楽室から何か音が聞こえ、扉を開けるが、誰もいない。
その時、頭上から彼を呼ぶ声が聞こえ、天井を見上げると…」
・「第10話 ナメクジおばさん〔前編〕」
「S県。
大月真(仮名/11歳/小学五年生)と友人の村上明夫(仮名)は部活の後で帰ろうとすると、雨が降っていた。
途方に暮れていると、校門のそばの柳の木の下に誰かが立っている。
それは買い物かごを持ち、白いエプロンにサンダルの、白く水太りをした中年女性であった。
女性は二人に手招きをして、傘に入って行かないかと勧める。
明夫は喜んで、提案を受けるが、真は彼女が気味悪くして仕方がない。
彼女の身体にはどこかナメクジが潜んでいるようであった。
女性は自分の家に寄っていくよう言うのだが…」
・「第11話 ナメクジおばさん〔後編〕」
「あの日以来、真は雨の日を恐れるようになる。
秘密を知った彼の前に、傘がない時を狙って、ナメクジおばさんが現れるからであった。
ある暴風雨の日、彼の傘が帰る途中、破れてしまう。
公衆電話で母親に電話をして、公園の遊具(半球型のやつ。名前わからず)で雨宿りをする。
母親が迎えに来たかと思いきや、それはナメクジおばさんであった。
彼女は彼を家に連れて行こうとし、彼は必死に抵抗するのだが…」
・「第12話 幸福のテレビ〔前編〕」
「六月末の東京都。
梶山竜介(仮名/中学一年生)はテレビ好き。
彼の友人の工藤明(仮名)も同じ趣味で、深夜放送を観ては、しばしば遅刻していた。
ある土曜日、竜介は明から「掘り出しモン」の深夜番組を教えてもらう。
それは番組表に載っていない「幸福のテレビ」で、午前二時頃、映画を観ていると、突然始まると言う。
そして、この番組を観れば、幸せになるらしい。
明は竜介にこの番組を観るよう勧めるが、日を追うにつれ、段々脅迫じみてくる。
明の態度を不審に思いながらも、金曜日の夜、竜介はその番組をチェックするのだが…」
・「第13話 幸福のテレビ〔後編〕」
「「幸福のテレビ」に仕掛けられた罠。
竜介は明の次に狙われる。
そんな時、好きな同級生、大島留美子のもとに「不幸の手紙」が届く。
彼女の涙を目にして、彼はその手紙を迷信だと破り捨てる。
彼は一人で「幸福のテレビ」に立ち向かうこととなるのだが…」
(「週刊少年マガジン」1994年第20号〜第24号、第26号〜第29号に掲載)
「トカゲ先生と宇宙人の噂」と「ナメクジおばさん」の回は最凶にヤバいです…。
本気で読者を殺しにかかってきているようなオーラに感動すら覚えます。
2022年7月15・18日 ページ作成・執筆