亜樹直・原作/ひきた美幸・漫画「学校の怖い噂B」(1994年12月14日第1刷発行)

・「第14話 マンホール人の噂〔前編〕」
「k県Y市の小学校。
 六年生の野田英治は学校で飼っているウサギの飼育係であった。
 ある日、近所に住む村田のおじさん(仮名)がやって来て、子供達に学校の七不思議の話をする。
 昔、この学校のあるところには病院があり、軍によって化学薬品を用いた人体実験が行われていた。
 実験に使われた死体や薬品はコンクリートで固められた深い穴に捨てられ、穴には黒い蓋に赤色で×印がしてあった。
 いつしか穴の中には異様な化物が住むと言う噂が広まり、化け物は「マンホール人」と呼ばれる。
 誰もその姿は見た者はいなかったが、病院の職員が行方不明になったり、奇怪な出来事が幾つも起こったという。
 話の後、一人の少年が旧校舎の裏で黒い蓋らしいマンホールを見たと言い出す。
 隣のクラスの飼育係の大熊しのぶは確かようと言い出し、皆はしぶしぶ旧校舎に向かう。
 そこには真っ黒に塗られたマンホールがあった。
 皆は恐れをなして逃げるが、大熊しのぶは野田英治を怖いのか?と挑発。
 二人はマンホールの蓋をずらして、中を覗くが…」

・「第15話 マンホール人の噂〔後編〕」
「大熊しのぶの失踪。
 英治は「マンホール人」の仕業ではないかと考えるが、相談できる相手がいない。
 次は、「マンホール人」の秘密を知った英治が狙われることとなる。
 学校を早退した彼は雨の中、帰路を急ぐ。
 だが、彼の行く先々にマンホールが…」

・「第16話 不気味な植物の噂〔前編〕」
「沖田渉(仮名)は花を育てるのが好きな中学一年生。
 彼は園芸部に入り、甲斐甲斐しく植物の世話をする。
 そんな彼を、厳しいと恐れられている理科の高村先生は高く評価し、励ましてくれる。
 同級生の石倉一哉はそれがおもしろくなく、ことあるごとに渉に意地悪をする。
 ある日、石倉一哉に大切な花壇を荒らされ、渉は泣きながら帰宅する。
 誰にも見られないよう裏道を通ると、見知らぬ花店を目にする。
 薄暗く、古色蒼然とした店だが、展示している花は立派であった。
 中に入ると、奥から奇妙な老人が顔を出す。
 老人は渉が泣いているのに気づき、見たこのない球根を差し出す。
 これを六寸ぐらい(約20p)の穴に、彼を悩ます人間の髪の毛か血液と一緒に埋め、花が咲いたら、気持ちがすっきりすると言う。
 値は張ったものの、渉はその球根を買い、翌日、花壇にその球根を植える。
 翌日には芽が出て、一週間で蕾をつける。
 この植物に咲く花は…?」

・「第17話 不気味な植物の噂〔後編〕」
「咲いたのは、一哉そっくりの人面花であった。
 渉は怯えて、花をもぎ取り、足でやたらめったら踏みつける。
 翌日、一哉は階段から落ち、人面花と同じ顔になる。
 しかも、植物はまた蕾がつける。
 渉は自分の顔の花が咲いているのではないかと気が気でない。
 ただ、花は一日で枯れるので、花が咲いている間、何もなければ大丈夫であった。
 しかし、花が咲く日、台風がやって来る。
 渉は花を守るため、学校へ行くのだが…」

・「第18話 プール・ジョージの噂〔前編〕」
「宮崎県のある小学校。
 五年生の清水進(仮名)は水泳が全く駄目であった。
 一つ年上の兄、洋(仮名)は非常に泳ぎが得意なため、較べられることが多く、進は放課後残って、水泳の練習をする。
 ある日の夕方、進が練習を終えて、プールを上がると、誰かが泳いでいる。
 それは水中メガネをつけた、体格のいい男性で、昔、この学校で先生をしていた児玉だと自己紹介をする。
 彼は夕方になったら、秘密に水泳を教えると進と約束する。
 放課後、進は児玉から水泳の特訓を受け、進は見る見るうちに上達する。
 だが、彼は急速にやつれていき…」

・「第19話 プール・ジョージの噂〔後編〕」
「進は児玉が噂の「プール・ジョージ」だと洋から教えられる。
 児玉は小学校の体育教師であった。
 ある時、プールで溺れている子を助けようとして、自分も溺れ、誰も助けてくれないまま、溺死する。
 「プール・ジョージ」となった彼は泳げない子供に水泳を教えるが、その子供はやせ衰え、最後は足がつって死んでしまうという。
 その話を聞いて以来、進はプールに入らないようにする。
 しかし、水泳大会当日、ケガをした兄にかわって、メドレーリレーのアンカーとして泳ぐことになり…」

・「第20話 黒いジュースの噂〔前編〕」
「中学三年生は夏休みと言えども、夏期講習ばかり。
 生物部で親友同士の松岡友哉(仮名)と石田和彦(仮名)は夏期講習の下校途中、見慣れぬ自動販売機に気づく。
 早速、ジュースを買おうとするが、和彦は80円しか持ち合わせがない。
 すると、自販機の「x」と張り紙をした缶があり、その値段がちょうと80円であった。
 和彦は面白半分にそのジュースを買うと、真っ黒な缶が出てくる。
 友哉が止めるのも聞かずに、彼はそれを飲み干すが、味はとてもおいしいらしい。
 以来、彼はその自販機に寄っては、黒いジュースを飲むようになる。
 同時に、彼の行動に異変が…」

・「第21話 黒いジュースの噂〔後編〕」
「黒いジュースのせいで、和彦は奇妙に変わってしまう。
 和彦は友哉に黒いジュースを飲むよう迫ってきて、恐怖を感じた友哉はそばにあった石で和彦の頭を殴る。
 その傷から真っ黒な血が流れ出し、友哉はその場から逃げ去る。
 だが、和彦のことが心配になり、翌日、彼の家を訪れる。
 和彦は元に戻っていたようだったが…」
(「週刊少年マガジン」1994年第30号〜第38号に掲載)

 単行本@Aに引き続き、三巻目も快調、快調!!
 どれも強烈なトラウマ作品ばかりで、特に「マンホール人」「黒いジュース」は怪物描写、ショック描写がてんこ盛り。
 「プール・ジョージ」の回で、プールに入れなくなったチビっ子は多かったのではないでしょうか?(日が暮れないと出てこないけど。)

2022年7月30日 ページ作成・執筆

講談社・リストに戻る

メインページに戻る