関よしみ「飼育病棟」(1993年8月10日発行)
収録作品
・「飼育病棟」
「浅海昌子のクラスにいる森陰卓はモンスターな母親にスポイルされた問題児。
ある日、森陰卓の身代わりとなって、昌子は全身打撲に両足骨折の全治三ヶ月。神経の障害で両手も思うように使えず、更にショックで口がきけなくなってしまった。
昌子が治療を受けた病院は、森陰卓の両親の経営する病院で、そこで昌子は療養することになる。
が、昌子が自分に気があると思い込んだ森陰卓が、昌子につきまとう。
森陰卓の偏執さと異常さを目の当たりにしながらも、昌子は助けを求めることもできず、恐怖と恥辱をとことん味わうこととなる…」
・「真夜中の祝福」
「ある新学校の合格発表。
必死の勉強のかいあって、美咲亜弓は、ボーイフレンドの松本圭一と同じく、合格できた。
が、その彼女の目の前で、不合格を苦にした少女が投身自殺を図る。
死の直前、少女は亜弓の足首をぎゅっと握り、「アナタハ合格シタノネ……オメデ…トウ……」と言い残し、事切れる。
このことがあってから、亜弓の周辺で嫌がらせが多発、それには、「アナタハ合格シタノネオメデトウ」というメッセージが添えられていた。
当初は自殺した女性との祟りかと思うが、嫌がらせがエスカレートするにつれ、誰か生きた人間の仕業であることが判明。
一体誰の仕業なのであろうか…?」
・「聖母の葬列」
「暴走族が起こしたトラブルに巻き込まれ、昏睡状態に陥った片桐望は、二年後、昏睡から目覚める。
すると、町の住民の大半は「摩訶思議教団」の崇拝者となっていた。
以前、町で暴れていた暴走族も「摩訶思議教団」の教母に帰依している。
この教母は奇跡を起こすと言われ、望が昏睡から回復したことも奇跡の一つだと言われる。
しかし、望は「摩訶思議教団」に不審の念を抱く…」
平成27年3月18・19日 ページ作成・執筆