大原未花子「闇の中の悪夢」(1989年2月13日第1刷発行)
収録作品
・「闇の中の悪夢」
「栗山中学一年生の冬美は、表面上は明るく、友人達と強調しているように振る舞っていたが、内心は苦痛でたまらない。
冬美には、友人達は皆、友達面をしながらも、実際はエゴイストばかり。
また、過保護な母親が冬美の人間嫌いを助長させ、彼女は一年前に死んだペット、蛇のスウを恋しがる。
ある日、冬美のクラスに、須藤和歌子という美しい少女が転入する。
彼女の愛称は、冬美のペットと同じ、スウであった。
スウは冬美を慕うが、その頃から、冬美の友人達が次々と不審な死を遂げていく。
その死に方は、冬美が以前、友人達を呪った時と同じものであった。
須藤和歌子の正体は…?」
・「ベラドンナ」
「とある街の裏通りにある花屋、ベラドンナ。
この店は「心にカゲを持った人しかお店のドアを開けることはできない」。
ある日、一人の女子高生(多分)が何気なく店を訪れる。
彼女は「しゃくなげ」の花を選ぶが、その花言葉は「危険・警戒」で、店長の青年と店員の娘(何者なのか、最後までわからず)は彼女の身を案ずる。
実際、彼女は死神に狙われていた。
彼女は前世、極悪人であったが、「なんの手違いか」人間に生まれ変わっていたのである。(「なんの手違いか」って、しっかりしてくれよ!!)
花屋の二人は、彼女を死神から救おうとするのだが…」
講談社の「コミックロマンミステリー/怪奇ロマンコミック」は、作品の質がピンからキリまで揃っておりますが、この作品は残念ながら「キリ」の方に入ると思います。
「闇の中の悪夢」は、グロ描写を頑張っていて、そこは好感が持てるのですが、ラストがヒド過ぎます。(「ヤスオ」のキャラはなかった方が良かったのでは?)
「ベラドンナ」は、ヒロインの少女が前世が極悪人という設定のために、説得力を欠くことになっているように思います。(もっとマシな設定はなかったのでしょうか…。)
それさえ気にしなければ、両作品をそこそこ楽しめるかもしれません。
2018年11月25日 ページ作成・執筆