宮脇明子「水晶宮の夜」(1996年2月13日発行)
収録作品
・「水晶宮の夜」
「チンピラどもに喧嘩を売られ、病院に搬送された松本喬と吉住。
そこの病院は、世界的権威の脳外科医が院長をしていることで有名な病院であった。
四日に及ぶ昏睡の後、喬は意識を取り戻すが、吉住は、喬よりも怪我が軽かったにもかかわらず、頭の怪我で急死していた。
心の支えであった吉住を失い、喬は喪失感を味わう。
そんな彼は、毎夜、悲しそうな目をした少女が涙を流す夢を見る。彼女は彼に「タスケテ タスケテ…」と訴え続ける。
そして、喬が見る吉住の姿…この病院の秘密とは…?」
・「冬の観覧車」
「高いところから町を見下ろし、城や公会堂を指指している夢。
吉川恭子はしばしばこの夢を見るが、母はこの話をすると嫌がる顔をするばかり。
学生生活最後の冬休みを、地方の遊園地でバイトをすることになるが、そこは夢で見ていた土地だった。
そこの遊園地で、彼女はある男の子を度々見かけるが、いつもどこかに消えてしまう。
ある日、彼女が男の子を追いかけると、その男の子は顔半分が潰れた幽霊であった。
そして、その男の子は、彼女が幼い頃に、彼女に観覧車から突き落とされたために死んでしまったということを知る…」
・「黄泉に走る…」
「素子の兄の買った、中古のシトロエン。
素子はシトロエンの窓ガラスに人影を見たり、夜中にライトが勝手についたりするのを見て、気味悪く思う。
このシトロエンにまつわる忌まわしい過去とは…?」
平成27年2月14日 ページ作成・執筆