佐伯かよの「黄泉からの声」(1994年3月11日第一刷発行)
収録作品
・「黄泉からの声」(1980年「ポップティーン」12月号)
「淳一郎、高村真紀子、裕介の三人は、予備校に通う仲良し三人組。
彼らの住む町で、自殺者が頻発する。
それはその地域だけの問題ではなく、日本、いや、世界的な現象であった。
更に、自殺者は「進め…」「進め…」という声に従って、否応なく自殺へと駆り立てられたらしい。
天才肌の裕介は、この現象にある仮説を立てるのだが…。
一方で、母親の期待に押し潰されそうな真紀子は、徐々にその声の虜になっていく…」
・「アリスの13時間」(1977年「りぼん」4月号)
「サンフランシスコ空港発、シドニー空港行き飛行機が落雷にて、ジョンストン沖に墜落。
生存者は
シドニーの伯母の家に遊びに行く少女、アリス・ジョフリン
工科大学の学生、マイク・ハーレー
黒人の少佐と、その部下の自己中心的な軍曹
繊維会社の社長
乳児をつれた未亡人
の七人のみ。
彼らはサブ島という無人島へとたどり着くが、そこではA国が原爆実験を行おうとしていた。
残された時間は13時間。
彼らは島からの脱出の方法を探るのだが…」
・「ジムニィの箱」(1974年「りぼん」11月号)
「去年の秋、彼がおばの家から戻ってくると、ジムニィの母親はどこかに去っていた。
母親の部屋は片付けられ、ベッドの上に、今は空っぽの、オルゴールの箱が一つ。
彼が母親の部屋で箱の中の鏡を眺めていると、そこに母親の姿を見る。
彼はことあるごとに母親の姿を見つめていが、ある日、彼は鏡が人の考えを映し出すことに気付く。
彼は周囲の人々の心の中を暴き立てていくのだが、父親の心の中に見え隠れする母親とのことを知った時…」
2020年9月12日 ページ作成・執筆