渡千枝「幽霊学校」(1997年6月13日第1刷発行)

 収録作品

・「邪霊のささやき」(1996年「月刊少女フレンド9月号増刊 サスペンス&ホラー」)
「不動王仁彦が転校した中学校の体育館の裏には、古い小さなお社と鳥居があった。
 創立以来からあるらしく、移転や壊そうとすると事故が起こるという理由でそのままにしてあるという。
 このお社をきっかけに、彼は、竹内仁美と知り合う。
 彼女には康平という男友達がいたが、彼は、有力者の息子、木島の一味にいじめを受けていた。
 ある日、康平は、体育館裏で、木島の子分に乱暴を受ける。
 しかも、バイオリンが好きな彼の左手をカッターナイフで傷つけられ、康平の怒りと憎しみは頂点に達する。
 その時、お社に雷が落ち、王仁彦達が駆けつけた時には、昏睡状態の康平と、日本刀で切り刻まれた、木島の子分達の死体があった。
 以来、学校では奇怪な事件が多発する。
 白い着物の男の幽霊の噂や、痴話喧嘩の後での女子生徒の投身自殺…。
 王仁彦と仁美は、お社に祀られていたものについて調べようとするのだが…」

・「幽霊学校」(1996年「月刊少女フレンド6月号増刊 サスペンス&ホラー」)
「皆からシカトされている女子生徒。
 彼女は、転校生の不動王仁彦と出会ってから、学校中の幽霊が視えるようになる。
 ある日、彼女は、女子生徒が屋上から転落するのを目にして、急いで外へ駆け付けるのだが…」

・「Dのレクイエム」
「ある中学校の三年D組。
 そのクラスの立木小百合が陸橋から跳び下り、電車にはねられ亡くなる。
 事故死と扱われたが、彼女はクラスメート全員からいじめを受けていた。
 彼女の死以来、D組では奇怪な出来事が頻発する。
 しかも、その出来事には立木小百合が絡んでいた。
 クラスメート達は、彼女の死は自殺で、クラスメート達を恨んでいると考えるようになり、戦々恐々。
 そんなある日、クラス委員の森谷真苗は、立木小百合の母親と偶然に出会う。
 母親によると、小百合には童話作家という夢があり、自殺ではないと完全否定。
 そして、何らかの事故に巻き込まれたではないか、と打ち明ける。
 その夜、ベッドで寝ている真苗の胸元に、小百合の幽霊が現れる。
 幽霊には両手がなく、「手がないのー」と泣きながら訴える。
 立木小百合の霊が助けを求める理由とは…?」

・「黄泉から」(1997年「別冊フレンド9月号増刊 サスペンス&ホラー」)
「美術部の先輩の高津悟は才能があり、かつ、イケメンで、多くの女子生徒の憧れ。
 ユミは彼と付き合うこととなり、幸せの絶頂であったが、デートの時、彼は交通事故死してしまう。
 絶望のあまり、校舎の屋上から跳び下り自殺をしようとした時、美術教師の羽手須が彼女に声をかける。
 彼は、彼女の寿命の一年分と引き換えに、彼女の願いを一つだけ叶えると提案するのだが…」

2020年12月6日 ページ作成・執筆

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