阿木二郎「夜の魔女」(190円)
収録作品
・阿木二郎「夜の魔女」
「船の遭難事故で死んだと思われた夫が生きていた。
本来は喜ぶべきところだが、中谷典子にとってはこれが大きな悩みとなる。
夫の保険金で婦人服の店を出し、一人娘を女手一つで育ててきたのに、夫が生きているとなれば、保険金を返却しなければならない。
しかも、当の夫は船事故のショックで、記憶を失い、廃人同然となっていた。
こんなことなら死んでいたらよかったのに…と考える典子の脳裏に医師の言葉がよみがえる。
それは「心ぞうがかなり弱っています くれぐれもショックをあたえないでください」という言葉であった。
典子は夫をショック死させることを決意。
そして、娘の涼子も、ショックで記憶を取り戻せるかもしれないと偽り、協力させるのだが…」
・「私の見た怪談聞いた怪談」
阿木二郎先生が直に体験した怪談話(文章)。
子猫を二匹海に捨てたと書かれてますが、猫は祟られるとやばいみたいですよ。
・「ミュージック コーナー」
アン・マーグレットの「バイ・バイ・バーディ」について書かれております。中尾ミエさんもカバーしているとのこと。
(これでこの本が書かれた年代が推測できるかもしれません。)
でも、「BIYE・BIYE・BADDY」と綴りを間違えまくっております。
・戸塚かずのり「まど」
「ある青年が、ある屋敷の窓から路地を見下ろしている、美しい少女に気付く。
お近づきになりたいと思うが、彼女はその近辺ではキチガイ娘と言われていた。
よくよく見てみると、少女はキチガイじみた行動をとり、青年は驚きのあまり、その場から逃げ出してしまう。
しかし、青年は、キチガイ故に孤独な少女のことを思い、自分の愛を貫くために、その屋敷に戻るのだが…」
・備考
カバー欠け。ビニールカバー剥がし痕が袖にあり。糸綴じあり。p100あたりから後ろに折れ痕あり。
2016年5月16日 ページ作成・執筆