どやたかし「フランス人形の死」(220円/1966年頃)



「仙台刑務所から脱獄した島田。
 彼は、逃走中、川で溺死体を発見する。
 死体は、中丸という弁護士で、島田は死体と衣服を取り換え、顔は石で潰し、入れ替わる。
 その後、島田は、弁護士が持っていた仮釈放通知書にあった家を訪ねる。
 その家は伊佐という家で、主人がもうすぐ仮釈放になるはずであった。
 しかし、いくら門を叩いても、誰も現れない。
 この家は十年間、誰にも門を開かず、決して他人を招き入れようとはしなかった。
 だが、この家の娘、美和は長い間、母親とフランス人形のマリーだけを相手にして過ごしたため、寂しくて仕方がない。
 美和を利用して、島田はうまく伊佐家に入り込む。
 しかし、美和の可愛がっているフランス人形がひとりでに彼のもとに現れ、彼に話しかける。
 その声は彼にしか聞こえていないようであった。
 彼の正体に気付いた女主人を早々に始末し、伊佐家に居ついた島田は、この家のどこかに横領した一億円があるとの噂を耳にする。
 仮釈放の父親が帰ってくるまでに、彼は金のありかを突き止めようとするのだが、彼の前に、またフランス人形がまた現れ…」

 人形の話し声の理由はよくあるものです。
 ただ、人形がひとりでに現れる理由が説明されていないのが、片手落ちで残念。
 これだったら、オカルトものにした方がすっきりしたと思います。

・備考
 非貸本? 本体、湿気のため、猛烈に歪み。

2021年2月17日 ページ作成・執筆

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