左馬一平「乱心者」(220円)



「戦国時代。飛騨のあたり。
 柴左近はうだつの上がらない下級武士。
 彼は美津という娘と恋仲であったが、彼女の父親は、彼がせめて足軽大将にでもなれば、と結婚を許さない。
 それならば、戦で手柄をあげようと張り切るも、太平の世で、肝心の戦がない。
 左近はヤケ酒をあおって、やみくもに馬をとばしたところ、山中で落馬し、道に迷ってしまう。
 明かりを見つけ、彼が近寄ると、一人の老婆が焚火をしていた。
 老婆は、自分は魔女だと明かし、彼を足軽大将どころか、一国一城の主にできるという。
 ただし、それには、彼の魂と引き換えという条件があった。
 左近はその条件を飲み、老婆の言う通りにして、とんとん拍子に出世する。
 遂に、彼は殿を暗殺し、頂点にまで登りつめるのだが…。
 一方、ある村では、一人の女性が夜毎、村人の家に、重湯をもらいに来ていた。
 彼女はどうも、左近のだまし討ちで亡くなった、南条氏の奥方らしい。
 ある時、村人の一人が彼女の後をつけていくと…」

 単なる戦国時代ものかと思いきや、「魔女」に操られて、成り上がる男の物語です。
 左馬一平先生、何かと怪奇色が濃い気がして、そこは好感は持てるのに、相変わらず、内容が雑なのが悲しいところ…。
 あと、サービスなのか、単に、ネタがつまっての苦しまぎれかは知りませんが、「子育て幽霊(aka 飴玉幽霊)」のエピソードが盛り込まれております。

・備考
 カバーと見開き、貼りつき。カバーに痛み。

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