カワダ・マサキ「半魚人の逆襲」(130円/1957年頃)
・収録作品
・カワダ・マサキ「半魚人の逆襲」
「東南アジア海底探検隊の一行は、800トンの白光丸で東南アジアの海を回り、海底を撮影していた。
スンダ海にて撮影の最中、沈没船を発見するが、その中に住んでいた半魚人が好奇心を持ち、船に侵入。
半魚人に気がついた人々は半魚人をある島に追い詰め、生け捕りに成功する。
素晴らしい発見と日本に半魚人に持ち帰るものの、半魚人は檻から脱走、下水道に姿を隠す。
神出鬼没の半魚人により、東京を恐怖と混乱のどん底に突き落とされ、被害は拡大するばかり。
銃弾も効かず、怪力を誇る半魚人を倒すため、主人公達は銃とダイナマイトで武装して、半魚人を追う…」
「アマゾンの半魚人」(「Creature from Black Lagoon」/1954年/米/ジャック・アーノルド監督)はモンスター映画の古典として、有名です。(未見ですが…。)
ただし、怪奇マンガに関しては、映画よりも楳図かずお先生の名作「半魚人」の影響の方が遥かに大きいように感じます。
ここで取り上げましたのは、映画の影響を受けて、描かれたマンガです。
映画の影響を受けたマンガはなかなか珍しいように思いますが、不細工なブリキ細工のような、半魚人の造形がイマイチ…。(どんな感じかは右から二番目の画像を参照のこと)
半魚人のくせに、しょっちゅう「ケロケロ」鳴いているのも、センスのかけらもありません。
また、怪物の性格も凶暴なのか、お気楽なのか、すっとぼけているのか定まらず、緊張感に欠けたまま、だらだらストーリーが進行します。(まあ、昔のマンガですから…。)
ラストは、半魚人は銃弾で片目を潰された後、洋装店で焼死して、あ〜さっぱりした…というなかなかヒドいもので、踏んだり蹴ったりの半魚人が可哀想…かと言うと、そうでもなかったりするという、複雑な読後感に襲われます。
ちなみに、私の印象に最も残ったのは、p67の新聞記事。
実際の新聞記事の切り貼りなどせずに、文章を全部手書きにしておりまして、妙に感心してしまいました。
ともあれ、こういうマンガもあったということで…。(ちと辛口で紹介しておりますが、読んだら、狂喜する人がいそうです。)
参考として、テキト〜に画像を下に載せておきます。(古い本で状態が悪いので、綺麗には写せておりません。ご容赦願います。)
左の画像に関してですが、半魚人は雑に描かれているのに、鰐は上手く描かれております。何故…?
・小坂井ひでお「丸太ン主将」
「東京の外れにある、私立青空学園と公立の黒空学園は、毎年柔道の対抗試合をしていた。
私立の青空学園には道場がなく、柔道部の部員達はある丘の野原で練習に汗を流す。
その丘を悪田建設の社長が狙っていることに、青空学園の柔道部の主将、丸太は知る。
悪田建設の社長の息子は黒空学園の柔道部の主将であり、社長は一計を案じる。
悪田建設の社長は丘の持ち主である高原に道場を建てる代わりに、賭けに応じるよう話す。
対抗試合で青空学園が勝てば、道場を無料で提供、ただし、黒空学園が勝てば、土地は悪田建設のものになるというものであった。
高原はその賭けに乗るが、悪田建設の社長には切り札があった。
自分の息子は、中国人の娘から教わった拳法をミックスしたオリジナル柔術を開発していたのである。
丸太は、それに対抗すべく、頭を悩ますのだが…」
柔道マンガです。
「イガグリくん」の影響はあるのでしょうが、読んでいないので、よくわかりません。
どのみち、柔道には興味ありません。高校生の頃、やりたくもないのに、授業でやらされて以来、関わりたくありません。
・備考
状態悪し。カバー痛み、折れ痕や小欠損、裂けあり、また、背表紙の下部、欠損あり。カバー貼り付け。紐で縛られていたのか、本体の中央横に縛り跡あり。読み癖あり。本文、切れ、小欠損、シミ、汚れ、多々あり。pp143・144、コマにかかる欠損あり。pp145・146、大きな裂けあり。後ろの遊び紙欠損。
2016年8月23日 ページ作成・執筆