久留見幸守「蘇える幽霊男」(150円)
「近江志賀郡、高取政成の城中で、毎春恒例の武術大試合が行われた。
参加した数多くの武芸者の中から、隻眼の武士が勝ち残り、当藩指南役志津兼四郎と戦うこととなる。
池上重太郎と名乗る浪人は、不思議な剣術を身につけており、勝負は相討ちとの判定が出る。
これに重太郎は不服を訴え、殿に真剣試合を所望、後日、その運びとなる。
が、志津兼四郎は重太郎の力量を見抜き、重太郎が野山で修行をしている時に、手下と共に襲う。
手下をことごとく倒され、絶体絶命となった志津兼四郎は銃を取り出し、重太郎を射殺するのであった。
それと同じ時刻、近江の小さな村の百姓の倅、新井進次が誤って谷底に転落して死亡した。
数日後に営まれた葬儀の際、突如、進次が生き返る。
しかし、彼の身体には、池上重太郎の霊魂が宿っていた。
彼は、進次の恋人であった玉江に心惹かれながらも、志津兼四郎への復讐を果たそうとする…」
・備考
ビニールカバー貼り付け。糸綴じあり。経年の汚れやシミはあるものの、まずまずの状態。前後の裏表紙に貸本店のスタンプ押印あり。
2016年2月29日 ページ作成・執筆