黒田みのる
「悪霊が泣くとき」(講談社/1984年9月14日第1刷発行)
「悪霊の泣く街」(桃園書房/1991年7月25日第1刷発行)


「浅丘高の水泳部のエース、森村洋子は、心霊オタクの関潤子と無二の親友。
 ある日、洋子は、潤子にせっつかれ、霊を視るために丘に登る。
 だが、丘の上の草むらが、動物でもいるかのように動いているのを目にして、潤子は脱兎のごとく逃げ出す。
 洋子も後を追おうとするが、足を捻り、丘に一人取り残されてしまう。
 すると、頭上の雲が開き、真上からまばゆい光が降り注ぐ。
 その光を浴びてから、洋子は霊視能力が備わるようになる。
 霊視能力により、洋子は、悪魔(サタン)が町を支配しようと目論んでいることを知ってしまう。
 悪魔の威力に抑圧されている霊達に乞われ、洋子は、市会議長の柴田と、この町出身のデザイナー、エリ・中田にこの事実を訴えようとするのだが…」

 黒田みのる先生の心霊マンガには独特の解釈があり、(真偽は横に置いといて)、非常に興味深いです。
 この作品では、その国ごとにそれぞれの悪魔が国民になりすましており、この悪魔のお陰で、戦争にもならず、国が栄えているとのこと。(右側の画像を参照の事)
 まあ、様々な国や地域に固有の神様がおりますので、固有の悪魔がいてもおかしくないのですが、悪魔の存在が平和と繁栄のもととなるという考えは斬新だと思いました。(当たり外れは別として。)
 ちなみに、ラストは悪魔退散の手かざし(?)で一気に解決…って、ことが深刻化する前に、さっさと使えばいいのに…。
 それと、悪魔があれほど、大手振って好き放題しているのに、「神様」とやらは何してるんだろう?

・備考
 桃園書房の単行本は、スリップ付。小口の底にゾッキ線。

2018年10月23日 ページ作成・執筆
2019年1月6日 加筆訂正・画像追加

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