黒田みのる「心霊怪奇劇場」(1988年12月13日第1刷発行)

 収録作品

・「プロローグ&黒田みのる」
「黒田みのる先生率いるパワープロダクションをご紹介」

・「第1話 白い窓の少女」
「ある夜、ルミ(中学二年生)は、隣家に白いフワフワしたものを目撃する。
 それは玄関から中に入り、二階の部屋をうろうろしていたが、ルミの部屋の真向いの窓で、乱れた髪の少女の形になると、ルミの方を振り向く。
 数日後、空き家だった隣家に引っ越しがある。
 引っ越してきたのは三人家族で、娘の文子は身体が弱いらしい。
 ルミは窓越しに文子を目にするが、目を離した隙に、いつも姿を消してしまう。
 雨の降る夜、ルミは潮干狩りをする夢を見る。
 夢の中には、文子が出てきて、ルミを澪のそばの穴場に案内する。
 二人はそこで貝掘りに夢中になるのだが…」

・「第2話 デリシャスな部屋」
「よく晴れた休日。
 ひろみと女友達二人はお見舞いに行った帰りに、甘物屋に入る。
 女店員が二人いるが、誰かに恋しているな感じでうわの空。
 ひろみ達は奥の席に座り、注文をする。
 ふと、ひろみが見上げると、天井には豪華なシャンデリアが下がっており、その豪華さにウットリ。
 しかし、そのシャンデリアは彼女にしか見えなかった。
 後日、ひろみはもう一度、その店に行くものの、何故かあのシャンデリアは現れない。
 店を出ると、いとこの洋一と偶然出会う。
 彼の勧めでもう一度店に入り、奥の席に座ると、今度は頭上にシャンデリアが見えた。
 洋一が従業員に、ひろみの席にいつも座っている男の子がいるだろうと聞くと…」

・「第3話 金曜日は待っていた」
「牧村麻美と母親は、父親を亡くし、福岡から引っ越してくる。
 今度住む家の仏壇の部屋で、麻美は悪魔の絵の描かれたカレンダーを見つける。
 そのカレンダーには、9月の第二、第四金曜日に丸印がついていた。
 町内会の大沢というおばさんは、霊感があるらしく、そのカレンダーを早く捨てるよう勧める。
 その夜、麻美の夢に死んだ父親が現れる。
 彼は、麻美は「悪魔よりつよい力」をもっており、第二・第四金曜日に気を付けるよう警告する。
 そして、第二金曜日を迎えるのだが…。
 「悪魔の計画の日」とは…?」

・「第4話 たけのこ時間」
「若い霊能者、倉橋美子は、17歳の少女に相談され、現地へと向かう。
 少女の名は美保といい、海辺の竹藪にいると、午後六時に猛烈な苦しみに襲われると言う。
 苦悶する彼女の服を剥ぎ取ると、背中に穴が抉れていた。
 少女にかけられた呪いとは…?」

・「第5話 愛は死なない」
「三歳の山田健一は突如、自分は立花良夫だと両親に訴え始める。
 健一によると、立花良夫はT市に住み、井上洋子との結婚式の最中、車に轢かれて死んだのであった。
 彼にせがまれ、両親は立花家に彼を連れて行く。
 最初は半信半疑だった良夫の両親も、健一の言葉がことごとく真実で、彼に良夫の霊がとり憑いていることに納得する。
 健一は洋子に会いたがるも、良夫が死んでほどなく、彼女もこの世を去っていた。
 そんな時、洋子の母親が立花家を訪ねてくるのだが…」

・「エピローグ&古出幸子」
「これからも黒田先生と一緒にパワープロは頑張るぞ!!という内容」

 あまりに独特な心霊漫画が五点収録されております。
 ストレートな輪廻転生ものの「愛は死なない」以外は、正直、理解しがたい内容ではないでしょうか?
 黒田みのる先生&パワープロの「オンリーワン」な個性が窺えます。
 個人的には、プロローグとエピローグの黒田みのる先生&パワープロのメンバーの描写が興味深くありました。
 古出幸子先生や井上まゆみ先生は十七年もいたというので、パワープロは一種の「ファミリー」だったのではないか?と考えております。

2022年2月18・25日 ページ作成・執筆

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