黒田みのる
「魔女の星@ 幽霊少女の謎」(1975年11月15日第1刷発行)
「魔女の星A 呪いの幽霊城」(1975年7月15日第1刷・1976年12月15日第3刷発行)
「魔女の星B 幽霊少女エリ子」(1978年1月15日第一刷・8月15日第二刷発行)


「魔女の星@ 幽霊少女の謎」
・「第1章 別れ」
「山奥の小さな村。
 ダムができ、村は水の底に沈むというので、村民会議が行われる。
 皆が公会堂の前で待っていると、会議が終わり、村長一同が出てくる。
 村長は「みんないっしょにかえる」が、二人だけ「あのこと」をやり遂げるために残ると話す。
 その夜、村のあちこちから悲鳴や叫び声が聞こえる。
 朝、村に残っていたのは、森エリ子(中学一年生)とその父、チロちゃんという少女とその父親の四人であった。
 村で決めた約束に従い、父親は腹に焼きごてを、残りの三人はアキレス腱のあるあたりに切れ込みを入れる。
 四人はこれから東京へ向かうらしいのだが…」
・「第2章 都会へ」
「東京に着いた森エリ子と父親。
 目的地の立風荘に行く途中、二人は牧村という中学の学校医と出会う。
 彼はエリ子のアキレス腱の傷に気付き、ハンカチで足首を結わえるよう勧める。
 すると、今まで疲れ気味だったエリ子が急に元気になり、驚くべき跳躍力を発揮し、中学校の三階にいた泥棒を見つけ出す。
 以来、彼はエリ子に注目するようになるが、父親は自分達にかまわないよう頼む。
 彼はエリ子の身体の調査を進め、その傷をとじると、エリ子が超能力を得ることを掴む。
 また、担任の藤井先生にエリ子の過去を調べてもらうのだが、意外な事実が明らかとなる。
 四年前、エリ子と母親は交通事故死していたのだった…」
・「第3章 村へ」
「エリ子の父親の目的は、エリ子の母親を捜し出すことであった。
 しかし、彼は彼女の居場所も、彼女が何故東京にいるのかも知らない。
 手掛かりを得るため、エリ子と牧村先生はダム工事中の村へ行く。
 そして、村長の家に向かう二人を、悪霊達が待ち受けていた…」

「魔女の星A 呪いの幽霊城」
 エリ子は牧村先生に引き取られ、彼の家に住むこととなる。
 藤井先生はエリ子を専門家に任せるよう訴えるが、牧村の、エリ子の母親を捜すという決意は揺るがない。
 悪霊達の度重なる妨害にもめげず、牧村は友人の嵐に医院を任せ、母親探しの旅に出る。
 手掛かりは、酒に酔った嵐に、エリ子の母親が口寄せした「西のお城のあるところ」という言葉のみ。
 西に向かった二人は大きな駅で降り、ホテルに泊まる。
 ホテルから見えるお城は幽霊が出ると噂があったが、その通りに、悪霊の巣窟であった。
 翌日、二人が城に行こうとするが、途中で何度も悪霊の妨害を受ける。
 ようやく辿り着いた城では、過去の戦で戦死したり自害した霊達が二人に迫る。
 エリ子の母親はここに来たことがあったらしいのだが…。
 次に、二人はドイツへと飛ぶ。
 そこで、吸血鬼ドラキュラと襲われるが、ピュアなハートで撃退(理由はよくわからない)。
 ドラキュラによると、エリ子の母は、怪物達の王と会ったようなのだが…。
 エリ子の母の行方は…?」

「魔女の星B 幽霊少女エリ子」
・「第一章 病院へ」
「病院が火事になったという知らせを受け、エリ子と牧村は急遽帰国する。
 二人が病院の焼け跡に行くと、瓦礫の上にモヤモヤしたものが一瞬見える。
 焼け跡で、二人は嵐先生と藤井先生に再会するのだが…」
・「第二章 学校へ」
「病院を再建する間、エリ子と牧村はある家に下宿し、エリ子は学校に通い始める。
 ある夜、嵐がその家を訪れ、エリ子に電動鉛筆削りをプレゼントする。
 だが、牧村は異変を察知し、嵐に鉛筆を削らせると、感電。
 悪霊が嵐に化けていたのであった。
 悪霊達は嵐の本体を病院の建設現場まで操り、軒桁に宙ぶらりんにさせ、エリ子を脅す。
 エリ子は嵐に飛びつき、彼を助けるが、悪霊は彼女にコンクリートの塊を落とし…」
・「第三章 パーティーへ」
「牧村医院が再建され、記念パーティーが行われる。
 会場は二階だが、エリ子は屋上に一人男性がいることに気付く。
 その男性は顔にひどい火傷を負っていて、牧村医院が火事になった時、消火活動にあたった消防隊員であった。
 彼は火事の時、二階の左側の窓に二人の人影を見て、助けに入る。
 階段から二階の二人に呼びかけるも、足を滑らせて転落、しかも、二人は彼を踏みつけて降りていく。
 更には、彼に天井が崩れ落ちてきたのであった。
 男は話し終えると、階段に向かい、そのまま姿を消す。
 エリ子がパーティー会場で消防署長に火事の話を聞くと、一人殉職した者がいると言う。
 写真を見ると、先程、屋上で出会った男性であった。
 しかも、二階に二人の人影が見えたが、誰も家から出て来ず、死体もなかった。
 牧村が嵐と藤井に火事の夜のことを聞くと、藤井は自分達に火事の責任があると言われているようだと怒り出す。
 それと同時に、出席者にとり憑いていた悪霊達が姿を現し始める。
 悪霊に憑かれた人々はエリ子を襲うが、その時、訪問者がある。
 その人物とは…?」
・「第四章 死者のくにへ」
「その人物と共に、エリ子と牧村は、村の沈んでいるダムを訪れる。
 言われた通りに、目を閉じると、二人は以前の村にいた。
 そこの村長の家には「死者のくに」の出入り口があった…」

 「少女エクソシスト」と並ぶ、「少女オカルトもの」の代表作です。
 タイトルで「魔女」となっているものの、ヒロインは「超能力を持った幽霊少女」で、タイトルに偽りありです。
 この手の作品全てに共通することですが、非常に間延びした展開で、今現在読むにはキツいものがあるかもしれません。
 それでも、「魔女の星A 呪いの幽霊城」は「西洋のモンスター大集合!!」といった内容で、かなりのゲテモノぶりを楽しめます。
 あと、藤井先生が清楚な割に、妙に艶っぽくて、個人的に好きです。

・備考
 「魔女の星A」カバー貼り付け&痛みや裂け。

2022年2月2〜4日 ページ作成・執筆

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