杉戸光史「ひとだま少女」(1973年12月25日発行)
「ある日、明子と、姉と公子が竹藪を歩いていると、人魂に遭遇する。
人魂は公子の額に入り込み、以来、姉は蛇女と化すようになる。
ある夜、明子は公子が外出するのに気づき、その後をつける。
だが、竹藪の中の古井戸で、姉の姿を見失う。
古井戸の中は無数の人魂に満ち溢れ、人魂は一斉に彼女に襲いかかる。
その場に両親が駆けつけてくるものの、二人とも人魂に憑りつかれ、父親は猿男、母親は狐女と化す。
逃げ出した明子は、通りがかった、男友達の義浩とその父親に助けられる。
家族のもとに戻るわけにもいかず、明子は義浩の家族の旅行に同行し、津軽へと赴く。
しかし、それは罠であった…。
人魂の正体とは…?」
杉戸光史先生がつのだじろう先生のオカルト漫画に触発されて描かれた作品だと思います。
証拠は右の画像を見てもらえれば、一目瞭然。
どこかで新聞を配っていた霊のような気が…。他にも、幽体離脱や心霊写真の画像(模写?)も出てきます。
ですが、ノリはいつもの杉戸節で、相変わらず、まどろっこしく、御都合主義で、やっぱりゲテモノ。
大体、あの世や霊魂を真剣に考証しようとする「心霊マンガ」と「ヘビ女」が相性がいいわけがありません。
その代わりと言っては何ですが、肩肘を張りまくった「心霊マンガ」にはない「テキト〜さ」があり、それを味わうが吉かと…。
ストーリーからして「地震による地割れで、地獄から逃げ出した悪霊(何故に動物霊ばっかり?)が人間に憑りつきまくる」という、理解不能なもの。
更に、ラストは、逃げ出した悪霊を回収するために、地獄から「巨大な火の玉」(?)が飛んできて、なかなかスペクタクルな展開となっております。
と書くと、何か面白そうですが、やっぱ、イマイチです。
ヒバリ・ヒット・コミックスにて「地獄を見てきた私」のタイトルで再刊されております。
ただし、こちらは約十五ページ、削除されておりますので、可能であれば、黒枠単行本をお勧めいたします。
2018年2月27日 ページ作成・執筆