杉戸光史「ばけ猫屋敷」(1972年12月15日発行)

「K市から、父親が購入した、田舎の屋敷に向かう家族(両親と、姉の冴子、妹のまゆみの四人)。
 妹の喘息と、姉の精神病の療養が、田舎へと引っ越した理由であった。
 途中、車の前に、黒猫が現れ、そのそばに、腐乱した肉の付着した、二つの頭蓋骨があった。
 一家は逃げるようにその場を去るが、家に着いてからも、その黒猫は度々姿を現す。
 冴子の精神状態はひどく不安定になっていき、化け猫女に襲われてから、彼女はすっかり精神錯乱に陥る。
 一方のまゆみは、喘息も落ち着き、新しい学校で楽しく暮らしていた。
 そんな彼女にも化け猫女の魔手が伸びるが、クラスメートの茂男の飼い犬に窮地を救われる。
 茂男によると、まゆみの越した家では、化け猫が出るという噂があると言う。
 一年前、老婆と黒猫が暮らしていたが、いつの間にか行方不明となり、次に移り住んだ孫娘二人は怪死、その後、この屋敷に住む者は皆、死ぬか狂っていた。
 茂男はまゆみに化け猫退治のためにある提案をする。
 その一方で、姉の冴子は、猫を一匹飼い、化け猫と対決しようとしていた。
 化け猫女の正体とは…?」
(巻末に「太陽プロ 1972.11.17」との記載あり)

 杉戸光史版「怪猫もの」です。
 「ばけ猫屋敷」というタイトルからして古めかしい内容が窺われますが、「化け猫」には「化け猫」で対抗しようとする展開がちょっぴり斬新かも。
 それにしても、エドガー・アラン・ポー以来、黒猫は塗りこめられるのがお好きですなあ〜。

 ヒバリ・ヒット・コミックスにて再刊されております。
 再刊の際に、ラスト・ページがほとんど削られております。1972年に描かれたという事実を隠すためでしょうか?

2019年7月18日 ページ作成・執筆

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