杉戸光史「赤目のたたり」(1973年8月20日発行)


 収録作品

・「赤目のたたり」
「冬休み、京子は、母親の勧めで、秩父にある、母親の祖父の家を訪れる。
 湖のほとりで、いとこ(作中に説明がないので推測)の俊彦と楽しく過ごしていると、連れていた犬が激しく吠え出す。
 すると、二人の目の前に、片目の赤い白蛇が現れ、犬はその蛇を追い、森の中へ駆けていく。
 京子と俊彦が犬を探していると、森の中で、壷を抱いた、片目の老婆と出会う。
 老婆は二人に白蛇様の祟りを受けないよう、二度とこの森に入らないよう忠告する。
 また、その持っている壷の中には、たくさんのカエルの死骸が入っていた。
 老婆が立ち去った後、犬が二人のもとに戻ってくるが、力尽きたようにころりと死んでしまう。
 犬は、人の形をした抜け殻のようなものをくわえていた。
 二人がその抜け殻を怪しんでいると、雑木の茂みからその抜け殻をこっそり持って行こうとする者がある。
 京子が抜け殻を引っ張ると、茂みの中から、目が真っ赤に充血した、うろこ肌の顔が現れ、二人が驚いた隙に、それは逃げ去ってしまう。
 京子と俊彦は、祖父に、半分にちぎれた抜け殻を見せると、祖父は子供の頃に耳にした伝説を語り始める。
 約二百年前の江戸時代の頃、京子が遊びに行った湖には白蛇の神様が棲んでいると伝えられていた。
 ある侍がそれを迷信と鼻で笑い、湖を訪れ、湖面に向かって矢を放った。
 すると、湖から片目に矢の刺さった、巨大な白蛇が現れ、侍の一族を今日から七代末まで祟ると告げる。
 侍は石碑をつくって、白蛇を祀るものの、小さな娘が徐々に蛇女と化していく。
 娘を殺そうとするが、どこからか現れた、片目が赤い白蛇によって、全て失敗。
 遂には、気が狂って、屋敷に火を放ち、一族は絶滅したのであった。
 ただし、蛇娘とその娘を可愛がっていた姉の死体は見つかっておらず、祖父は、老婆やうろこ肌の怪物がこの侍の子孫ではないかと推測する。
 その話を聞いても、京子は迷信だと切り捨て、俊彦と共に、本当に白蛇の祟りによるものかどうか確かめることを決心する。
 翌日、森の中で、老婆と見なれない少女を見つけた二人は後をつける。
 老婆と少女は森の奥にある、荒れ果てた西洋館に入っていくが、そこで京子は恐ろしい体験をするのであった…」

・「死体を消せ!」
「密室での連続殺人事件。
 狙われるのは、ガス会社や石油会社の社長といった大物ばかり。
 犯人は、十年前に水を燃料に変える発明をして殺された敷島博士の息子であった。
 息子は超能力者で、その能力を使って、次々と父親の復讐を果たす。
 そして、復讐相手が残すところ、一人となった時、探偵の広小路豪が彼の前に立ちはだかる…」
 「怪談・98」からの再録。
 石ノ森章太郎先生の「サイボーグ009」の影響でも受けたのでありましょうか?
 杉戸光史先生には「SF」を取り入れた意欲作が幾つかありますが、今読んだら、どれも「ビミョ〜」な出来だったりします。
 この作品も超能力を安直に使い過ぎで、ミステリーとしては破綻してます。

 巻末には、交通事故で入院した杉戸光史先生を、永眠したものとして、太陽プロの弟子達がボロカスにけなすコーナーがあります。
 太陽プロのメンバーは、川辺フジオ(自称「一番弟子」)、宮本光、真木のり子、横山茂樹、つかだケンの五人。
 ボロカスにけなしてはおりますが、その裏には愛が満ち溢れ、杉戸光史先生が慕われていたことが窺えます。
 あと、杉戸光史先生の本名もこっそり明かされております。

・備考
 前の遊び紙の下部に名前のスタンプあり。後の遊び紙の上隅に何かを剥がした痕あり。

2016年11月15日 ページ作成・執筆
2017年10月16日 加筆訂正

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