池川伸一「犬神のたたり」(1974年1月25日発行)

・「犬神のたたり」
「作家の父と専業主婦の母を持つ姉妹、洋子と幸子。
 幸子は普通の子であったのに、隠れて、犬を沼で溺死させていた。
 それと同時に、幸子は、興奮すると、牙や爪、毛が伸び、動物のような外見に変わるようになる。
 幸子はひた隠しにするが、姉に気付かれ、遂には両親にも知られてしまう。
 両親は幸子を医者に見せるが、その際、血液型から幸子が両親の子でないことが明らかになる。
 幸子が産まれた時に、産院で赤ん坊の取り違えが起こっていたのであった。
 そして、幸子は隣町で犬屋敷と呼ばれる家の赤ん坊であった。
 何も知らない幸子は家族に救いを求めるが、幸子を持て余した家族は幸子を犬屋敷に引き渡すことを決める…」
 物悲しい、やりきれないラストであります。(毛布をまとって立ち去る幸子の姿…。)
 出来としては普通なのでありましょうが、妙に心に残る作品であります。

・「風鈴」
「兄と二人の妹の三人兄妹。
 一番下の妹は「ちょっと気が変なかわいそうな子」。
 長女は、その妹が原因で、恋人と破局を迎えることを恐れる。
 妹がいなければ幸せになれると考えた姉はある計画を思いつく。
 翌日から、妹が食事の間、姉は妹の耳元で風鈴を鳴らし続けるのだった…」
「怪談・80」からの再掲載であります。
 背景等に、描き込みや、スクリーントーンを用いて、絵に密度を持たせております。
 余程、池川伸治先生のお気に入りだったのでしょうか?
 力(リキ)入ってます!! 

・備考
 貸本。カバーと本体に綴じ穴あり。

2016年2月14日 ページ作成・執筆

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