五島慎太郎「アマゾンの半魚人」(1975年7月15日発行)
「水産学の権威、鮎川威弘博士がアマゾンで発見したのは、人間によく似た魚類であった。
その生物は船で、伊豆半島にある、博士の研究所に運ばれ、ドーム内のプールに入れられる。
その夜、博士の次女、真耶がふと目を覚ますと、部屋から廊下に水濡れの跡があることに気付く。
跡を辿っていくと、その生物が人間のように歩いているのを目撃する。
逃げ込んだ先のプールで、真耶はその生物にプールに引きずり込まれ、噛みつかれる。
騒ぎを聞いて、駆け付けた家族に真耶は事情を説明するが、真耶の話を全く信用してくれない。
しかし、鮎川博士、助手の宮本、母親、姉の令子と、次々と生物の毒牙にかかる。
真耶もまた、怪物と化していく。
実は、それは、来たるべき「人類の滅亡」後の生き延びる、唯一の方法なのであった…」
タイトルからもわかる通り、楳図かずお先生の「半魚人」の影響下にあるマンガです。
加えて、古賀新一先生の「へび」ものの影響も濃厚です。(注1)
「半魚人」を扱っているのに、ノリはバリバリで「へび少女」です。(「人喰い沼」もそんな感じでした…。)
と書くと、大したことなさそうですが、独特のアレンジが光り、かなり面白いと思います。
また、「半魚人の赤ちゃん」とか「眼鏡をかけた半魚人(動きはヘビ人間)」とか「半魚人にドライヤーで応戦(でも、コンセントが抜けてアウト)」といった「B級」な描写も、味のある絵柄と相まって、なんかすごくいいです。
個人的には、ヒロインをいっぱしの半魚人にしようと、半魚人化した家族がよってたかって、ヒロインの口に生魚を押し込むシーンが一推しです。
右下画像の「ふがふが」に心打たれました。
・注1
「ヒロインを襲って、プールに落ちる描写」(pp123・124)は、古賀新一先生の「のろいのへび教室」からのいただきだと思うのですが、こちらの考えすぎかも…。
それにしても、五島慎太郎先生のお師匠の浜慎二先生は、弟子のマンガにどういう思いを抱いていたのでありましょうか?
とっても気になります。
・備考
読んでたら、本体が割れてしまった…。。
2016年10月27日 ページ作成・執筆