五島慎太郎「恐怖のミイラ男」(1973年12月25日発行)



「1889年、エジプト。
 考古学者、ブラム博士とエドウィン伯爵の率いる一行は、ピラミッド内部に、リリア姫の墓室を発見する。
 だが、呪いを恐れる、現地の人夫達の間で騒動が起こり、その最中、墓室に一人残っていたブラム博士は、壁際に置かれていた、大男のミイラに殺される。
 このミイラは、リリア姫の墓室を守るために、生きながらミイラにされた奴隷、ラメシスのミイラであった。
 ミイラは次に、ブラム博士の娘、キャサリンを襲うが、彼女はかろうじてミイラの手から逃れる。
 エドウィン博士は、ブラム博士の死のため、ピラミッドの調査を断念し、ピラミッドの埋葬品と共に、イギリスへと帰国する。
 しかし、帰宅の途中、ミイラの棺を馬車から落としてしまい、エジプト人のサーハンがミイラを回収する。
 サーハンはミイラを悪事に使おうともくろむものの、ミイラは彼の手を離れ、リリア姫の墓室に入った人間を襲い始める。
 ミイラはキャサリンを執拗につけ狙うが、その理由とは…?」

 五島慎太郎先生は、海外の怪奇映画を題材にした作品を描いておりますが、今回はミイラ男です。
 真正面からミイラ男を描いた作品って実は珍しいのではないでしょうか?
 私個人は、@エジプトという遠い異国のモンスターということ、A吸血鬼や狼男と較べると、派手さに欠けること、Bミイラを題材にした映画(注1)の本数が少ないこと、といった理由で、モンスターの中では古参であるにも関わらず、マイナーな印象があるのではないか?と考えております。
 実際、この作品も基本、大男のミイラが暴れるだけの内容なので、新鮮さには乏しいです。
 それを補うためか、「ミイラに殺されると、身体がドロドロに溶けるゾンビになり、ミイラの手先になる」というギミックを導入。
 残念ながら、うまく活用したとは言い難いですが、ヒロインが全裸の「どろどろ」ゾンビ達に襲われるシーンはかなりのいやらしさです。

 ちなみに、この作品、五島慎太郎先生の単行本の中で、プレミアが付いていることで有名な作品です。
 理由は知りません。あまり再版されなかったんでしょうか?

・注1
 このマンガは「ミイラの幽霊」の影響下にあるように推測してます。
 ただ、この映画を未見なので、あくまでも推測の域を出ません。いつかDVDで確認しないといけませんね。(ミイラの出てくるホラー映画、「ミイラ転生 死霊の墓」と謎のブラジル映画「ナイト・オブ・ザ・リビング・マミー」しか観たことないんです…。(注2))
 この映画のミイラ男は、クリストファー・リーが演じていて、写真で見ると、めっちゃ、端正な顔のミイラ男なんだ!

・注2
 あと、「みんなのうた」の「メトロポリタン美術館」も忘れるな!(いい歌だとは思うのですが、ラストの歌詞が…。)

2019年2月24・26日 ページ作成・執筆

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