古賀新一「ヒルが吸いつく」(1970年5月1日発行)
収録作品
・「ヒルが吸いつく」(1960年代後半に「マーガレット」にて連載)
「夏休み、神谷ひろみと美津江の姉妹は田舎の祖母のもとに滞在する。
そこでは、同時に、病弱な二人の母親の療養も兼ねていた。
祖母は、神谷家伝来の治療法を母親に施すが、それは身体中に大量のヒルを吸いつかせ、悪い血を除去するというものであった。
しかし、それが全くの逆効果。
ヒルに身も心も乗っ取られた母親は、手始めに、元凶の祖母を池に沈める。
次に、姉のひろみをヒルまぶしにして、殺害。
母親は美津江の身体も狙うが、ひろみの霊が母親の魔手から美津江を守ろうとする…」
ヒルを扱った、数少ない怪奇マンガであります。(注1)
相変わらずの「古賀節」なのでありますが、田舎育ちの筆者からすれば、ヒルの姿形が安直に過ぎるように感じ、不満です。
ヒルというよりも、これじゃナメクジですがな。
と、そこは量と太さでカバー!!(ほとんど触手になっているところもあります。)
何はともあれ、当時の少女達にはかなりの生理的に不快なマンガであったろうと推測いたします。
ヒバリ・ヒット・コミックスにて再録されており、比較的容易に読めます。
・「のろいの解剖室」
「ある医院に住む兄妹。
妹、さゆりは、小さい頃から母親代わりに育ててくれた婆やを毛嫌いしていた。
原因は、婆やの人間離れした、醜い容貌で、平然とばけもの呼ばわり。
わがままなさゆりは、今までの恩を忘れて、婆やにつらく当たる。
ある時、婆やが夜中にどこかに出かけることを知り、さゆりはその後をつける。
婆やは食事の用意をして、人里離れた廃屋を訪れる。
そこには、下半身のない赤ん坊のミイラがあった。
医者をしている兄によると、その赤ん坊は頭が二つあった奇形児の片割れとのこと。
このミイラの件で、さゆりは婆やを家から追い出し、数日後に婆やは自殺。
奇形児のミイラは医院の解剖室に標本として保管されることとなるが…」
内容が内容故、再録はされてない模様です。
冒頭、奇形児の標本の描写がありますが、歴代の古賀キャラが顔を揃えていて、ほっこり。
・注1
他には、大石まどか先生の「めくら蛭」(ひばり書房黒枠)なんかがあります。
映画では、「吸血怪獣ヒルゴンの猛襲」(米/1959年)が有名です。(日本版DVDが出ているのに、未見です。早く観なきゃ。)
特撮に関しては、あるとは思いますが、パス。
あと、小学生の時にプレイしたファミコンのRPG「ヘラクレスの栄光」に出てきた敵キャラのヒルがやけにリアルで気持ち悪かった記憶があります。
2016年11月22日 ページ作成・執筆