杉戸光史「老少女の恐怖」(1974年7月25日・1974年12月10日発行)

・「老少女の恐怖」
「埼玉県北葛飾郡杉戸町(実際の地名かどうかは不明)。
 理加のクラスに転入してきた、金髪の美少年ジャック。
 彼は、妹のメリーと使用人の杉山と共に、町の西洋館に越してきたのであった。
 クラスの女子は、ジャックに夢中になり、毎日、彼の館に遊びに通う。
 だが、彼の館を訪れた女子の中の一人は軽い「老人病」に必ずかかる。
 その「老人病」とは、原因不明の流行病で、若い人間が一気に年を取るという奇病であった。
 理加のボーイフレンドである竹中公郎(きみお)は老人病の原因はジャックにあるのではないかと疑う。
 ある日、理加の学校机にジャックからのラブレターが入っていたのを利用して、公郎は理加に館を探りに行かせる。
 理加がジャックに案内された居間には、実物そっくりのメリーの肖像画が掛けられてあった。
 この館の住人と「老人病」は関わりがあるのだろうか…?」
 この作品は、貸本として描かれた「130才の少女」(貸本/ひばり書房)の再録であります。
 杉戸光史先生の他の貸本マンガと同じく、大きな破綻のない代わりに、こじんまりとまとまった作品で、印象にあまり残らないかもしれません。

・「まぼろしの鯉」
「福島県磐梯山にいだかれた、磐梯三湖。
 そのうちの一つ、檜原湖…この湖は、明治21年に磐梯山噴火に伴う大洪水によって多くの人命が失われたという過去を持つ。
 数十年後、この湖に東京からやってきた青年がいた。
 彼の名は敷島武男と言い、この地を訪れた目的は、この湖の主と言われる金の鯉を釣ることであった。
 宿を取った最初の夜、彼の部屋を覗き見る者がいる。
 それは昼間に会った少女で、彼女を追ううちに、武男は檜原湖に来ていた。
 すると、彼の目の前に、金色の着物を着た女性が現れ、沼の主のいるところへ案内しようと言う。
 女性の誘いに乗り、武男は女性と二人、夜釣りに繰り出すのだが、それは沼の主の罠であった…」
 この作品は活劇が入っていて、面白いとは思うのですが、ストーリーに理解不能なところがありまして、う〜ん、残念。
 ただ、ヒバリ・ヒット・コミックスでは何故か再刊されず、読もうと思っても黒枠版しかないのが、(怪奇マンガ・マニアにとっては)ちょっぴりつらいところです。

2015年12月23日 ページ作成・執筆
2016年7月29日 加筆訂正

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