杉戸光史「鬼@」(1974年12月20日発行)
杉戸光史「鬼A」(1975年1月25日発行)

「漫画家志望の中学一年生、杉戸光子は鬼火村を訪れる。
 バス停に出迎えに来たのは、いとこの兄妹、二つ上の哲也と同い年の明美であった。
 親戚の家に向かう途中、三人は鬼面神社の前を通りかかる。
 この神社には鬼の面が奉納されていたが、それは本物の鬼の皮と伝えられていた。
 昔、村を飢饉が襲った時、飢えに耐えかねた娘が鬼の面をかぶって、旅人を襲っては、人肉を喰らったという。
 そのうち、身も心も鬼になった娘は鬼のような形相に変わり、最後は、旅の武芸者に退治されたと伝えられていた。
 光子はその話に興味津々だが、その時、人の悲鳴が聞こえる。
 三人が駆け付けると、農婦が失神しており、気が付くと、「鬼がでた」と叫んで、走り去る。
 だが、その場にいたのは、通称バケモノ屋敷の番人をしている、セムシの老人であった。
 翌日、スケッチをしようとしていた光子は、明美にススキ沼に案内される。
 そこで、二人が目にしたのは、昨日、出会った農婦の死体であった。
 慌てて逃げ出すものの、光子は地下水路に通じる穴に転落してしまう。
 意識を取り戻した光子は、迷路のような地下水路をさまよううちに、暗闇の中で灯りを見つける。
 灯りのもとに向かうと、そこには鬼女が待ち構えていた。
 鬼女に襲われた、光子は急流に転落、幸運なことに、川下に流れ着く。
 光子は、助けを求め、人家を探すが、辿り着いたのは、例のバケモノ屋敷。
 そこが鬼女の住処であることを知った光子は、番人の老人の追跡から逃れ、ようようにして親戚の家の近くまで逃げのびる。
 翌日、光子の話を聞いた哲也と光子は、番人の老人の留守に、バケモノ屋敷を探索する。
 すると、地下室に人骨の詰まったつぼが幾つも置いてあった。
 哲也は、このところ、頻発する死体紛失事件と関係あるとにらみ、その晩、沼で死んでいた農婦の墓を見張ることにする。
 だが、哲也は後頭部を殴られ、気絶、光子の前に再び鬼女が姿を現わす。
 伝説の鬼女が現代に復活したのであろうか…?
 また、バケモノ屋敷に持ち主である、資産家一家は何者なのであろうか…?
 そして、死肉を喰らう鬼女の秘密が明らかになる…」

 ヒバリ・ヒット・コミックスにて「人喰い女の館」と改題されて、再刊されております。
 ページの都合か、各巻、数ページ削除されてます。
 削除されているページは、「鬼@」では、pp5〜8、pp20・21、pp45・46(ひばり書房の渡辺氏による杉戸作品の紹介ページ)、pp106〜109(鬼女がヒロインを襲うシーン、何故削ったの?)、pp126・127の14ページ。
 「鬼A」では、p5(扉絵)、p6(タイトルページですが、黒枠本では2ページあったものが、1ページに短縮)、pp98・99(またもや鬼女がヒロインを襲うシーン、だから、どうしてこんな肝心なページを削るのよ?!)、p207(相変わらず説教臭い後記)の5ページ。
 ページの都合上、大ゴマのページを削ったように思います。

・備考
 「鬼@」は貸本使用。カバー痛み。シミ多し。pp93・94、上部に裂けあり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。
 「鬼A」も貸本使用。鉄鋲による綴じあり。カバー痛み。背表紙色褪せ。シミ多し。前後の遊び紙に書き込みやセロテープの痕あり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。

2017年11月14・15日 ページ作成・執筆

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