杉戸光史「血にまみれた雪女」(1973年7月5日発行)
収録作品
・「血にまみれた雪女」
「東北地方のある山中。
山で吹雪にあった上条ルミは、ある洞窟に避難する。
その洞窟は、雪女が住むと言われており、村人達は近寄ろうとしなかった。
洞窟内で、ルミは「沢田夕子」という女性の身分証明書を見つける。
すると、笑い声が聞こえ、彼女の前に、雪女が姿を現す。
雪女から逃げようとして、ルミは崖から落ち、気絶。
彼女が目を覚ました時、そこは細野二郎という青年の別荘の一室であった。
偶然に、ルミは、通りがかった細野二郎達に発見され、手当てを受けていたのである。
別荘には、細野二郎と、叔父の大田豪造と娘の大田美津子、下男の佐助の四人。
細野二郎は以前はスポーツマンであったが、最近は体調が思わしくなく、この館で静養をしていた。
ルミは二郎にお礼がてら、雪女に出会ったことを話す。
最初は一笑に付すものの、「沢田夕子」の名前を聞いて、二郎の顔色が変わる。
彼女は二郎のフィアンセであったが、一年前に行方不明になっていた。
証拠の身分証明書を見せようとしたところ、何者かが彼女の部屋に入り、コートからそれを抜き取ってしまう。
美津子の証言によると、雪女の仕業としか思えない。
その代わり、二郎宛ての手紙がポケットに入っており、夕子は一年前に殺された旨、記されていた。
そして、今夜、夕子を殺した犯人達があの洞窟に来ると言う。
二郎は夕子への復讐にいきり立つのだが…。
そして、その殺人に関係した人物が次々と謎の死を遂げていく…」
貸本の再録ですが、元の本を持っておりませんので、違いについてはわかりかねます。
・杉戸光史「首」
「病死した一人息子を、首だけで生かすことに成功した科学者。
彼は、息子の身体のために、同じ年恰好の少年と姉を誘拐。
しかし、彼が帰宅した時、そこにはマフィアの一味がいた。
彼らは、脱獄に失敗して瀕死の重傷を負ったボスを運び込み、ボスの首を健康な身体に付け替えるよう科学者を脅迫。
しかし、彼らが誘拐してきた、若い男性には秘密があった…」
メチャクチャなSF怪奇マンガです。
長編だったらグダグダでしょうが、短編故に、勢いがあって、一気に読ませます。
意外と面白いかも。
「怪談・96」(貸本/つばめ出版)が恐らく、初出と思われます。
2019年7月12日 ページ作成・執筆