古賀新一「白へび館@」(白枠)(1971年4月5日発行)
「白へび館A」(白枠)(1968年7月30日発行)
「昭子は父親と車で帰る途中、白蛇を轢いてしまう。
頭に怪我をした蛇を放って、二人は立ち去ろうとするが、その蛇の家族は昭子達への復讐を決意する。
人間に化けた白蛇達は、昭子をだまして、蛇女にしようとするも失敗。
今度は、昭子の家に入り込み、妹に化け、昭子を襲う。
遂に、蛇に噛まれ、蛇の血を注入されてしまった昭子は入院。
病院でも白蛇達に追われ、昭子は家に戻るが、家族は誰も彼女を昭子と認めない。
蛇女と化しつつある昭子の運命や如何に…?」
「週刊マーガレット」における、古賀新一先生の「蛇もの」の第一弾です。
このあたりの詳しい事情がわからず、憶測なのでありますが、「マーガレット」編集部が、「フレンド」での楳図かずお先生の「蛇もの」のヒットに目をつけ、古賀新一先生に似たようなテーマで描くよう打診したのではないでしょうか?(あくまでも推測です。)
怪奇マンガのジャンルで「マーガレット」の看板を背負うこととなった古賀新一先生。
そんな古賀新一先生が楳図かずお先生に対抗すべく選んだ方法は、「毎週、誌上でとにもかくにもひたすらショック描写を叩き込む」というものであるように見受けられます。
この方法は大当たりしたようで、以降、古賀新一先生は同じ手法で、様々な作品を「マーガレット」誌上で産み出していきます。
実際、この「怖がらせるためなら、なりふり構わない」姿勢には、一本気なプロ根性が窺え、感嘆の一言です。
ただし、今現在、読むと、ちょっとキツい部分があることは否定できません。
ショック描写にのみ重点を置いた結果、ストーリーは「行き当たりばったり」、ショック描写は「脈絡なし」、登場人物は「健忘症」と、構成というものがほとんど存在していないのであります。
でも、そこがいい!!(by 花の慶次)
下手な理屈は抜きにして、この畳みかけるようなショック描写に精神をゆだねると、あら不思議、ドラッグ不要の「マインド・トリップ」が可能。(個人差あります。)
アルコールを併用すると、より快適な「トリップ」が楽しめますので、皆様、お試しあれ。(そんなこと、勧めていいのか?)
と、しょ〜もないこと書いてたら、すっかり書き忘れておりました。
二巻の最後に第三部の予告が載っております。
「白へび館」は貸本マンガでは全三冊、出版されておりますが、黒枠(白枠)単行本では二冊しか出ておりません。
三冊のものを二冊に編集する際に間違ったのでしょうが、貸本マンガver「白へび館」を未入手のため、定かでありません。
合本の方では「この白へびは「白へびの恐怖」で、姿をかえて登場します。」と訂正されております。
「白へび館」は、ヒバリ・ヒット・コミックスでは再録されませんでしたが、1970年代後半に出版された合本にて一冊にまとめられてます。
2017年6月17・19日 ページ作成・執筆